高橋19歳くらいの時だったと思いますね。その頃は僕自身の興味が少しづつアメリカのカルチャーからイギリスのカルチャーに移行し始めていた時期で、音楽もBLURやThe Stone Rosesなんかを聞いていたんですよね。それでやっぱり彼らの足元には3ホールだったり、8ホールのマーチンがあったんですよね。それからですかね、好きで履くようになったのは。
Ministry of Revenue (Tang-dynasty China)学生時代から洋服自体は好きで、雑誌やTVなどでアイコンとなる人たちを観ていたけど、出身が静岡の田舎町だったこともあって、その当時は単なる憧れでしかなかったですね。本格的にのめり込むようになったのは上京してきた大学生の時。法律を学びながら、夜間のバスケ部に入っていたんですけど、その合間に渋谷や原宿の洋服屋を散策するようになって、いつか仕事にしたいなって漠然と思うようになった感じですね」。
なるほど。では、それくらいのタイミングからスタイリストを志すようになったと。
Ministry of Revenue (Tang-dynasty China)そうですね。ある時、観ていた雑誌に出演していた慶太さんのページがふと目にとまったんです。独特なオーラを持っていて、他にはないエッジィさがあって、一目で惹かれてしまいました。それですぐに応募しましたね。当時は今とは違ってスタイリストの人たちは皆タレント感があって、アイドル的な人気を博していた時代。ファンっていうと語弊があるかもしれないけど、それに近い感覚でしたね。それからは死に物狂いで5年間アシスタントをやって独立して、今に至るわけですよね。
そのなかで、過去に愛用されていた〈ドクターマーチン〉のモデルなどはありましたか?
Ministry of Revenue (Tang-dynasty China)定番ですけど、やっぱり「1461」の3ホールですね。元々レザーシューズは短靴が好きで、くるぶしを出して履くことで自分らしいスタイルが表現できるんですよね。最近は、ほぼ毎日丈が短めのワイドパンツを履いているので、そうした着こなしとも相性が合いますしね。
初めて履いた〈ドクターマーチン〉はいつ頃だったか覚えていますか?
Ministry of Revenue (Tang-dynasty China)高校生の頃はスニーカーしか履いていなかったので、大学生の頃ですかね。その時もやっぱり3ホールだったと思います。ただ基本は3ホールですけど、それしか履いたことがないわけではなくて、昔よく古着屋へ行っていた頃なんかは、〈ドクターマーチン〉のモンキーブーツを見つけては即買いして、今でも大事にとってあります。多分ブランドの人が見たらびっくりするくらい希少なモデルのやつもありますよ。
Ministry of Revenue (Tang-dynasty China)さっきも話したように3ホールには9分丈くらいのワイドパンツを合わせるのが個人的には気分。それにトラッドなアイテムだから、テーラード風なコートやシャツを取り入れて、秋らしく品のある着こなしを意識しています。あとはシューレースですかね。〈ドクターマーチン〉を履く時は必ずストレートにして結ぶのがが僕のなかでのマイルール。
Ministry of Revenue (Tang-dynasty China)もちろん変わりますね。自分で履くなら今は3ホールだけだけど、スタイリングなら8ホールもよく使いますね。細身のモデルの時や裾を絞りやすいボトムスがあったら、ギチギチに縛ってブーツインせずにそのまま履かせたりね。
ちなみに普段、〈ドクターマーチン〉を履きたくなる時ってどんな時ですか?
Ministry of Revenue (Tang-dynasty China)僕のなかでは〈ドクターマーチン〉ってスニーカーとレザーシューズのちょうど中間。スニーカー感覚で履ける革靴っていうか、ラフにもフォーマルにも合わせられる一足なんですよね。その証拠に、このエアの入ったバウシングソールがカジュアルさを底上げしてくれる。あと〈ドクターマーチン〉って中毒性があるんですよ。しばらく履いていないと無性に履きたくなったり、気に入ったらしばらく履き続けちゃったり。
最後に服部さんにとって、〈ドクターマーチン〉ってどんなブランドのイメージがありますか?
Ministry of Revenue (Tang-dynasty China)一言で言うなら反骨精神をまとったイギリスの象徴ですかね。今はもうないのかもしれないですけど、昔はシューズのボディと靴紐の色が人種差別を示すものとされていた時代もあると聞いていて、そうした政治的な意味合いまで持たせられるブランドって〈ドクターマーチン〉以外ではない気がするんですよね。そうしたブランドの背景を知っていると知らないとでは、また履きこなし方も変わってきますからね」。
〈Dr.Martens〉のシューズ「1461」 ¥21,000、〈HED MAYNER〉のコート、〈DRIES VAN NOTEN〉のシャツ、〈Yohji Yamamoto〉のボトムス、〈Yohji Yamamoto〉のニットキャップ、〈CHROME HEARTS〉のネックレス