ケタ違いのスケールに言葉を失う。
アメリカ・アリゾナ州の北部にある「グランドキャニオン」は、東西約446kmにわたって延びる大峡谷。1919年に国立公園に指定され、今年2019年に100周年を迎えました。1979年には世界遺産に登録されています。
グランドキャニオン観光の拠点となるのが、峡谷の南側にある「サウスリム」。その中心部の「サウスリム・ビレッジ」には、ビジターセンター、宿泊施設、飲食店、展望台などあらゆる施設が揃っています。
日本からグランドキャニオン・サウスリムへのアクセス方法は複数ありますが、今回は成田からデンバー経由でフラッグスタッフへ飛び、空港からクルマで30分ほどのウィリアムズという小さな街へ。さらにそこから1時間ほどのドライブを経て現地に向かいました。
バスを降り、サウスリム・ビレッジを抜けて、案内に従ってしばらく歩くと、そこで待ち受けていたのは……。
そう、写真などでよく見るあの景色……なのですが、生で見るグランドキャニオンは、想像以上に壮大! 写真などで見るそれとはスケールが違いすぎる。おそらく、これらの写真からも、そこで実際に感じた感動の一割も伝わらないでしょう。あまりの絶景を前にして言葉を失うばかり。と同時に、自然の雄大さ、そして自分のちっぽけさを感じずにはいられません。
世界初のストラップ付きサンダルは、ここで生まれた。
グランドキャニオンの楽しみ方は、上から眺めるだけではありません。峡谷内にはトレイルが整備されていて、のんびりと歩きながら雄大な景色を楽しむことができます。
計16本あるトレイルのなかで、今回はもっともポピュラーな「ブライトエンジェルトレイル」の一部を歩いてみることに。
足元は〈テバ〉。グランドキャニオンの国立公園制定100周年記念モデル「GC100 コレクション」です。
テバ「GC100 コレクション」 左「ハリケーン XLT 2」¥7,800+TAX、右「ハリケーン XLT 2 アルプ」¥11,000+TAX
ストラップのデザインや素材がアレンジされ、この地の雄大な地形や自然の美しさにインスパイアされたカラーやパターンがあしらわれています。
この「GC100 コレクション」は他にも様々なモデルがラインアップされています。
テバ「GC 100 コレクション」 上「ハリケーン ソック」¥13,000+TAX、右「オリジナル サンダル – アーバン」¥6,300+TAX、下「オリジナル ユニバーサル」¥6,300+TAX
ところで、なぜ、グランドキャニオンで〈テバ〉なのか? その歴史は、1984年にグランドキャニオンのリバーガイドが開発した世界初のストラップ付きスポーツサンダルに遡ります。それまでのリバーガイドは乾きやすいビーチサンダルを愛用していましたが、水辺で脱げてしまうという問題を抱えていました。また、スニーカーでは水が入り込むと重くなってしまい、どうしても履き心地が悪くなってしまいます。それらを解決したのが、安全性と機能性を併せ持ったストラップ付きのサンダルだったというわけです。下はその当時の写真です。
近年の〈テバ〉はファッションシーンで存在感を放っていますが、もともとはアクティビティを安心して快適に行うための高機能スポーツサンダルが原点。ファッションアイテムとして幅広い層から支持されている現在も、その軸がブレることはありません。
そして〈テバ〉はグランドキャニオン国立公園制定100周年を記念して、グランドキャニオン自然保護団体に10万ドルを寄付。ブライトエンジェルトレイルの整備や、この地の環境教育活動の一環である青少年育成プログラムのサポートに役立てられています。〈テバ〉が自身のルーツであるグランドキャニオンをいかに大切なものとして捉え、敬意を払っているかがわかります。
この地で生まれたテバを履き、峡谷のトレイルを歩く。
さて、〈テバ〉によって整備されたというブライトエンジェルトレイルを実際に歩いてみましょう。
一般的な登山では山頂を目指して高度を上げていきますが、グランドキャニオンの場合は逆。谷底へ向けて下っていき、どんどん高度を下げていきます。登山ではなく下山。不思議な感覚です。
峡谷に沿って伸びる美しいトレイル。普通に歩いていれば危険箇所はありませんが、滑落などの事故が発生することもあるようなので、油断は禁物です。
下から見上げる断崖は、上から眺めるのとはまた違った迫力。赤い岩肌に刻まれた無数の地層が地球の歴史を感じさせます。
トレイルを歩いていると、道の脇の茂みから不意にリスが登場。グランドキャニオンにはリスのほか、シカ、コヨーテ、コウモリなど様々な野生動物が生息しているとか。
〈テバ〉のサンダルは歩きやすく、すこぶる快適。開放感の高さが気持ちよく、病みつきになります。
この気持ちよさ、駆け出さずにはいられない! 〈テバ〉のストラップ付きサンダルは足をしっかりホールドしてくれるので、走ることもできます。
ところどころでトレイルの整備も。誰もが安心して安全にトレイルを歩けるよう、こまめな点検が欠かせないようです。
ブライトエンジェルトレイルを案内してくれたガイドによると、グランドキャニオンを訪れる旅行者の約半数が、峡谷の上から景色を眺めるだけで、トレイルを歩かないとか。たしかにそれでも十分すぎるほどの絶景を堪能できるでしょう。けれど、ちょっともったいない気も。グランドキャニオンを訪れた際は、せっかくなので、すこしでもいいのでトレイルを歩いてみることをおすすめします。「ブライトエンジェルトレイルがきれいに整備され、安全に歩けるようになったのは〈テバ〉のおかげだよ」と感謝の気持ちを述べるガイドも。
ちなみに、ブライトエンジェルトレイルのスタート地点の標高は約2,100mで、峡谷を下り切った先にあるコロラド川の標高は約700m。その差はなんと1,400mもあり、1日で往復するのは体力に自信のある人でもかなり厳しいとされています。今回は時間の都合もあって途中で引き返しましたが、またいつかこの地を訪れ、じっくりと時間をかけて谷底の川まで下ってみたいものです。
グランドキャニオン100周年記念モデルの背景と、その狙い。
「〈テバ〉がここグランドキャニオンで誕生したというのは、とても大切なこと。こんなに壮大な場所で生まれたブランドなんて、他にないでしょ? すごいことだと思うわ」
そう語るのは、今回の「GC100 コレクション」のデザインアレンジを手掛けたナディーン・マーシャルさん。
「『GC100 コレクション』は、グランドキャニオンの雄大さや自然の美しい色合いなど様々な要素を融合してデザインしました。ブルーは水、ブラウンは土、イエローは太陽をイメージしたもので、トライアングルシェイプはネイティブアメリカンのシンボルであるとともに〈テバ〉のアイデンティティであるトライリングの形状を表現しています」
かつてクライミングを愛好し、アウトドアショップに勤務していたナディーンさんは、その後ウェビングの手法を応用して製作したクライミングロープのデザインが評価され、フリーランスのデザイナーとして独立。1993年から現在まで、26年間にわたって外部デザイナーとして〈テバ〉のデザインに関わってきました。
「〈テバ〉は私の人生においてなくてはならない存在。気持ち的には結婚しているみたいなものだわ(笑)。〈テバ〉の原点は、ここグランドキャニオンの谷底に流れるコロラド川、すなわち“水”です。そもそも地球に生命を与えたのも水であり、人類も水から生まれました。水はすべての根源なんです。つまり〈テバ〉にとって、グランドキャニオンは単なる創業の地であるばかりでなく、ブランドにとってもっとも大事な“魂”とも言える場所なんです」
〈テバ〉の米国本社にてブランドを統括するジェネラルマネージャーのアンダース・バーグストロムさんは、「アメリカでは、グランドキャニオンは神秘的でスピリチュアルな場所であり、多くの人にとって特別な意味を持つ」といいます。
「日本のみなさんにとって特別な場所といえば富士山でしょうか。〈テバ〉が“グランドキャニオンで生まれた”というのは、日本に置き換えて例えるなら“富士山頂で生まれた”ということに近いかもしれません。〈テバ〉の創業の地がグランドキャニオンであることは、それほど重要な意味を持つのです。
ここ数年、〈テバ〉は日本をはじめ世界中のファッションシーンでご支持いただいています。ただ、〈テバ〉はファッションのブランドとして生まれたのではなく、そのルーツはグランドキャニオンにあり、人生を自分らしく楽しむアクティブな人の足元を支えるアドベンチャー精神が原点にある。そのことを多くの方々に知っていただきたいですね」
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