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Translated By DeepL

The film "Soiree" - An image of one's true self that emerged at the end of escapism.
Après avoir fui 

The film "Soiree" - An image of one's true self that emerged at the end of escapism.

ひとはだれもが「自分」というステージの主人公になれる──シリアスな状況下でも、それぞれに「生きる理由」を探し、かけおちとも言える逃避行をはじめた男女の、ひと夏を描いた映画『ソワレ』。本作は、自分を見つめてくれる他人と対峙することで、あらためて“自分”を考えるきっかけになるという力強さを、静かな映像に宿し、私たちに届けてくれます。真摯に映画と向き合う、外山文治監督と俳優の村上虹郎さん、芋生悠さんに「自分」をテーマにお話を伺いました。

  • Photo_Takuya Nagata
  • Styling_Yui Mochizuki(Murakami)
  • Styling_Kumiko Sueyoshi(Imou)
  • Hair & Make-up_Yoshikazu Miyamoto(Murakami)
  • Hair & Make-up_YOUCA(Imou)
  • Text_Yoko Hasada
  • Edit_Yuri Sudo

ぼくは普通になりたかった。私は主人公になりたかった。

ー 虹郎さんは翔大の中にある「自分」とは、どんなものだと思いましたか?

村上:普通になりたくない気持ちは強いんだろうけど、ちょっと人よりも演技や映画が好きだったり、学生時代にちょっと目立っていたりしただけで、まだ個性を掴みきれていない感じがしました。

ー ご自身との共通点はありましたか?

村上:似たところと違っているところが交錯していましたね。翔大の親は地元の企業に勤める、一般的なサラリーマン家庭なんですよ。

ー そんな設定映画に出てきましたか?

村上:いや、裏設定です(笑)

Outer Mountains:そういえば、いろいろ考えたね(笑)翔大は真面目な家庭で育ったんです。

村上:そうそう。だから、親が芸術的だったりカルチャーに詳しかったりしたわけじゃなく、普通の家庭環境だったんだと思います。学生時代に映画部に入ったのも、ちょっと映画が好きで、人よりも目立ちたかったから。サッカー部の中心で活躍するような奴ではないけれど、友だちの輪の中心にはいたんだと思います。こうやって彼のキャラクターを深掘りしていくと、ぼくの人生とは、全く違うんですよね。

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ー ご両親が芸能人、というスタートから全く違いますよね。

村上:ぼくの場合は超特殊ですからね。だから、翔大と同じでは絶対にないけれど、そう遠くはない感覚。思い出したのは、高校生の時に1年間カナダに留学していたんですけど、その1年が「何者でもない自分」だったと思います。説明しないとぼくの両親のことを誰も知らない、そんな経験はこれまでなかったですからね。その時間が自分にとっても大切だったし、翔大とリンクする時間だと思います。

Outer Mountains:「普通になりたかった」って言ってたよね。

村上:学生時代は普通に憧れてましたね。ぼくは、家庭環境だけじゃなくて、学校教育さえも普通じゃなかった。ぼくが受けていたシュタイナー教育は日本の人口の1%も受けていない。

ー シュタイナー教育は、感性を延ばすことに重きを置いた、ドイツ発祥の教育プログラムの一環ですよね?

村上:そうです。すごく狭い世界だったから、マンモス校に行って、先生が全生徒の名前を言えないくらいの「他人的な世界」に行きたいと思っていました。今はよかったと思ってますけど、当時は苦しかったですね。

ー そのときから、村上さんのなかで自分と他人という構図があったんですね。

村上:でも翔大の何者かになりたい気持ちは、わかります。ぼくも二世と言われてきて、「自分は何ができるのか」っていうのを何度も考えたし、そこは親がどうとか全く関係ないですから。

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ー 芋生さんはタカラちゃんをどう捉えていますか?

芋生:彼女は普通/普通じゃない、の前に、主人公にはなれない子だと思っています。自分の人生なのに、親に支配されて主人公になれない。私はタカラちゃんと逆で、小さな頃から主人公になりたいタイプでした。だから、自分の身に起こったことはすべて「自分の人生にとって大事なことだ」と考えて、自分で乗り越えようとしてました。

ー 真逆ですね。そうすると役づくりは大変ではなかったですか?

芋生:それが共感できる部分もあって。中学3年生の時、ずっと習っていた空手の結果がふるわなくて、学校でもイジメられていて、すべてうまくいかなかった時期がありました。いちばん大切な特技も、友だちも、何にもない。すごく落ち込んでいた時に、幼馴染の男の子から“お守り”をもらったんです。

ー とってもロマンチックですね!

芋生:それまではどんなことでも自分ひとりで乗り越えてきたけれど、それができない状況で、まさにタカラちゃんと同じですね。なのでそのお守りが本当に嬉しくて、いまでも大切に持っています。タカラも、そうした小さな幸せを大切にするタイプなのかなと思います。

INFORMATION

監督・脚本:外山文治
俳優:村上虹郎、芋生 悠、岡部たかし、康 すおん、塚原大助、花王おさむ、田川可奈美、江口のりこ、石橋けい、山本浩司
プロデューサー:豊原功輔
共同プロデューサー:前田和紀
アソシエイトプロデューサー:小泉今日子
配給・宣伝:東京テアトル
公開:8月28日(金)よりテアトル新宿、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸ほか全国の劇場にて
2020年/日本/110分/5.1ch/シネスコ/カラー/デジタル/PG12+
(C) 2020ソワレフィルムパートナーズ

Official HP
公式Twitter:@Soiree_Movie
Official Instagram:@soiree_movie

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