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現代的なレッド・ウィングの履き方とは? アイリッシュセッターにまつわる3つの証言。
Three Answers to IRISH SETTER

現代的なレッド・ウィングの履き方とは? アイリッシュセッターにまつわる3つの証言。

アメリカンワークブーツの代表格として、一方ではアメカジの象徴として、多くの人の記憶に刻まれている〈レッド・ウィング(RED WING)〉。90年代、ヴィンテージのデニムに「アイリッシュセッター」を合わせて街を歩いたという人も少なくないでしょう。その時代から20年以上の時を経て、いま再び、このブーツが盛り上がりを見せているといいます。毎週のようにトピックが乱立するスニーカー市場を横目に、なぜいまになって〈レッド・ウィング〉がいいのか。デザイナー、バイヤー、スタイリストの3人の証言から、その真相を確かめていきましょう。

古くからDNAが受け継がれてきたアイリッシュセッター。

IRISH SETTER 6” MOC-TOE #8173 / IS FLAGS ¥45,000+TAX

〈レッド・ウィング〉の代名詞的存在である「アイリッシュセッター」。1952年に生まれたワーク・ハンティング用のブーツに採用されたレザーの色が、猟犬アイリッシュセッターの毛並みを思わせたことからその名がつきました。 白くて平らなソール「トラクショントレッド・ソール」はクッション性に富んでいて歩きやすく、丈夫で頑丈なレザーは多くのワーカーたちに支持され、現在でも色や形を変えながら、そのDNAは脈々と受け継がれています。 このアイテムをクリエイターたちはどう解釈し、ファッションとして昇華するのか。3人の賢者たちの声をどうぞ。

Style 01

Takayuki Fujii × IRISH SETTER 6” ROUND-TOE #8165

PROFILE

Takayuki Fujii
ノンネイティブ デザイナー

1976年生まれ。セレクトショップや、ストリートブランドの販売を経て2001年に〈ノンネイティブ〉のデザイナーに就任。服だけでなく靴に対しても造詣が深く、これまでにさまざまなシューズブランドとコラボレートしてきた。

アイリッシュセッターは履き込んだ姿がかっこいいと思う。

ー 最近の藤井さんの足元事情について知りたいのですが、どんなシューズを履いたり、新しく買ったりしましたか?

Fujii: 寒くなると基本的にブーツが多くなりますね。それこそ〈ノンネイティブ〉のものとかをよく履いています。

ー 寒くなるとブーツを履くというのは毎年そうなんですか?

Fujii: そうですね。ぼくは短靴を履かないんです。基本的にパンツの裾の中に収まる靴が好きで。だから絶対ブーツなんです。

ー 短靴を履かないのはどうしてなんですか?

Fujii: 太いパンツが似合わないから。あと、裾周りがすっきりしていないと落ち着かないんです。靴と裾のあいだに隙間があるのがイヤで。だからハイカットにこだわっているというか、パンツの一部っぽく見える靴が好きなんです。

ー 以前『フイナム』のインタビューで、「スニーカーのように履けて、汚くなってもかっこいい」と革靴について話されていました。そのことについてもっと詳しく知りたいです。

Fujii: あまり手入れとかをしたくないんです。ぼくはスエードの靴を履くことが多いんですけど、汚れを吸って、色がどんどん変わっていって、自分っぽくなっていく感じがいいなと思っていて。たまにブラッシングはしますけど、防水スプレーをかけるわけでもなく、雨でもガンガン履ける靴が好きで。

Fujii: いい靴であれば、それだけ汚れても、ソールだけ張り替えればまた履けるじゃないですか。とにかく汚れを気にしたりとか、雨だからどうしようって考えるのがイヤなんですよ。そういう意味で「アイリッシュセッター」は履き込んだ姿がかっこいいと思うから、いまの若い世代の人たちに良さを伝えるとしたら、そういうところをプッシュするといいと思います。

ー そうして生まれる汚れや経年変化に、個性が出るということでしょうか。

Fujii: そうですね。でも、靴を選ぶときはきちんと自分の基準を持って選んでいます。ずっと履けるかどうか、流行り廃りがないか、丈夫かどうか、とか。でも、そういう基準は人それぞれだし、あとは履き方次第だと思いますね。

ー そうした藤井さんの基準に〈レッド・ウィング〉はフィットしそうですか?

Fujii: そうですね、いいと思います。でも若い頃に履きすぎちゃって、当時の印象がとても強いから、どうしてもそのイメージに引っ張られちゃいますね。

ー それは90年代の話ですか?

Fujii: そうですね。16歳くらいのときにお年玉ではじめて買ったんです。大阪のアメ村で。当時靴屋さんへ行くと、「〈レッド・ウィング〉はビタビタで履け」みたいなことを店員さんから教わって。なんか怖かったですね(笑)。ガチガチのアメカジのお兄さんだったんですけど、何故かいまよりワンサイズ小さいやつを薦められました。赤茶のブーツで、王道的にヴィンテージのデニムに合わせてました。そういう強迫観念みたいなのがやっぱり当時あったんですよ。

ー それ以来、遠ざかっていたんですか?

Fujii: 受験のときに東京へ来て、渋谷センター街の奥のほうにHMVがあったのわかりますか? そこは一階がテレビの生放送のスタジオみたいになっていたんです。そこで藤原ヒロシさんが出ている番組の収録をやっていたんですよ。そのときにヒロシさんがベージュのアイリッシュセッターを履いていて、「なんだアレ?」ってなったのを覚えてます。

そのスタジオのちょうど目の前に〈レッド・ウィング〉のお店があって、のぞいてみるとまったく同じブーツが売っていたんですよ。だから全財産をはたいて買いました。そこから毎日履いてましたね、〈リーバイス®〉の「505」に合わせて。そのブーツはもしかしたら、いちばん最初に買ったベージュの靴かもしれない。

ー 藤井さんといえばベージュのスエードブーツという印象がありますけど、今日は表革で、しかも黒いブーツを履いているのがすごく新鮮です。

Fujii: これもいいかなって。昔「ビームス」が、同じモデルを別注で出したんです。95年くらいだったかな? それももちろん持ってたし、こげ茶とか、スエードも持ってました。それ以来ずっと遠ざかってたけど、去年セレクトショップ別注のトリプルブラックの〈レッド・ウィング〉を買いましたね。

ー 久しぶりの「アイリッシュセッター」はいかがですか?

Fujii: 変わらないですね。やっぱり歴史のあるブランドだし、培ってきたものがあまりにも強いから簡単に変わることのほうが難しい。久しぶりに履いてみて、意外といいなと思いました。つくるものは変わらなくても、合わせ方次第で見え方は変えられると思うんです。

ー 今回の藤井さんのスタイリングは、アメカジ色が極力抑えられていますね。

Fujii: ジーパンとかコットン素材のアイテムを合わせるよりは、ポリエステルとか、ナイロンみたいなアウトドア系の生地のほうが新しく見えると思ったんです。あと、「アイリッシュセッター」に合うパンツの裾幅があると思うんですよ。

ー〈ノンネイティブ〉のパンツは相性よさそうですね。

Fujii: そうですね。ブーツの足首のあたりがシュッとしているので、裾幅が狭いパンツとの相性がやっぱりいいと思います。

ー 街中ではいまスニーカー全盛ですが、今後ブーツや革靴が盛り返すと思いますか?

Fujii: 〈レッド・ウィング〉は定番なので、そういう意味では流行り廃りがないアイテムだと思います。ヨーロッパの靴とかアメリカの靴とか、その中でも種類によって細かく分類されるともうよくわからなくなりますね。ぼく個人はヨーロッパのブーツが好きなんですけど、じゃあ〈レッド・ウィング〉のワークブーツをヨーロッパでつくったらいいかといえば、これはアメリカだからこその良さがあると思いますし。

ー いまでも頑なにアメリカ製を貫いてますよね。

Fujii: そういう部分も魅力的ですよね。〈レッド・ウィング〉がつくられているのはミネソタ州でしたっけ?

ー そうです。

Fujii: ミネソタは保守的な土地だから、それで続いてるのかもしれませんね。これがもし西海岸にある会社だったら、とっくに他の国に変わっていたかもしれない。アメリカ製にも関わらず値段的に求めやすいし、ずっと続けられるっていうのは本当にすごいことだと思います。それと、じつは今度〈ノンネイティブ〉でも別注アイテムをつくろうとしていて、まだちょっと時間はかかりそうですけど、ご期待ください。

IRISH SETTER 6” ROUND-TOE #8165 ¥34,900+TAX

もともとアメリカで販売されいた品番「#766」が販売終了となり、それを受けて日本市場に向けて1995年につくられた「#8165」。革はブラックのクロームレザーを採用。ワークマンの足元を守る丈夫さはもちろん、履くたびにしなやかになっていくのは言わずもがな。丸みを帯びた特徴的なラウンドトゥは細いパンツにも合わせやすく、すっきりとしたシルエットが魅力。

INFORMATION

Red Wing Japan

Phone: 03-5791-3280
redwingheritage.com

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