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1LDK's past has spun the future of CLUB C 85.
1LDK with Reebok “CLUB C 85”

1LDK's past has spun the future of CLUB C 85.

来たる4月3日(土)、〈リーボック〉の代表作CLUB C 85を「1LDK」仕様にアレンジした一足がリリースされます。真っ白で洗練されていて、とにかくクリーン。だけど、素っ気ないわけではなく、どこか穏やかな表情を持ち合わせている、そんなスニーカーです。そして、スタッフの顔ぶれやアイテムのラインナップが変わっても、らしさが色褪せない「1LDK」の息吹がしっかりと感じ取れます。この特別な一足に、どんな想いを込めたのか、デザインを手がけたディレクターの三好さんに話を伺いました。

「1LDK」のディレクター三好 良さん。店舗のディレクションやバイイングのみならず、オリジナルアイテムのプロデュースなど、マルチに活躍する。

2020年に35周年を迎えた〈リーボック〉の名作CLUB C 85(以下、CLUB C)。それは今作のモデルとなった一足であり、三好さんもかねてから愛用していたスニーカーでもあります。相思相愛で結ばれたこのプロジェクト。その発端となったのは、意外にも中目黒の「いろは寿司」だったとか。

「コロナが騒がれるもっと前に、『いろは(寿司)』で友人たちと飲んでいて。そのときに『三好さんですよね?』と声をかけてくれたのが、今回の担当者なんです。だけど、お互いに結構仕上がった状態だったんで、真面目な話は一切せず(笑)。それから半年後くらいに正式にオファーをもらってスタートしました。以前から「ジョウンド(JJJJound)」とコラボしたCLUB Cをよく履いていたので、すごくうれしかったです。昔から白いスニーカーや、いわゆるコートシューズってジャンルが好きで、いろんなブランドのものを履いてたんですが、CLUB Cがしっくりきたんですよね。シャープすぎるわけでもなく、ボリュームがありすぎるわけでもない。すごくバランスの取れたシルエットがいいなと」

1LDK AOYAMA HOTEL マネージャー 木下誉さん
〈ユニバーサル プロダクツ〉PIQUE L/S T-SHIRT ¥17,600、〈ユニバーサル プロダクツ〉NO TUCK WIDE CHINO TROUSERS ¥24,200(ともに1LDK)

だれが見ても綺麗だと思える、「1LDK」らしい引き算によって導き出された本作。足そうと思えばいくらでも足せるようなモデルですが、ここまで潔くシンプルなデザインにすることに迷いはなかったのでしょうか。

「白ベースってことは話をいただいたときから決めていました。ただ、真っ白にするか、どこかに色を加えるのかってところは悩んでいて。それで『1LDK』ぽくもあり、ぼくも好きなネイビーをソールにあしらっています。このソールはよく見るとクリアにネイビーを入れてるんですよね。なので、重くなりすぎず、どこか軽快な感じになっていて気に入ってます。これは〈リーボック〉さんからのアイデアでした」

手前のファーストサンプルの時点ではインソールはベージュ、そしてタンも白字のプリントが施されている。そこから改良を重ねて現在の姿になったという。

「それとCLUB Cのインラインではサイドに“Reebok”と入っているんですが、そこもどうするか結構悩んで。“Reebok”の文字はそのままにして同色の白にするか、もしくはぼくたちの屋号が入れられるのか。だけど、CLUB Cの顔とも言える部分を、いじってもいいのか? って心配もあって。それを〈リーボック〉さんにぶつけてみたら、「どうぞ、1LDKさんならご自由に」って感じで、意外とすんなりOKで(笑)。せっかくだからと、“1LDK”にさせてもらいました。ここも白かネイビーかで迷ったんですよね」

シンプルなスニーカーだけに、デザインの方向性を大きく左右させる究極の二択。そのたびに頭をよぎったのはお客さんの姿だったと三好さんは続けます。

「ぼくらは玄人向けのアイテムをつくりたいわけじゃなかったんです。お客さんはもちろん、ファッションにそれほど興味がないひとが見ても、クリーンで素敵だと思えるスニーカーにしたかった。それとお客さんから『CLUB Cが欲しいけど、どれを買ったらいいかわからない』って質問をインスタでもらったことがあって、そういう人やお客さんたちに自信を持って届けられる、ひとつ答えとしてこれをつくったみたいなところもありますね。だから、レザーは上質なものを使いたかったし、価格も1万3000円以上にしたくなかったんです」

1LDK AOYAMA HOTEL スタッフ 杉村直人さん
〈ユニバーサル プロダクツ〉COMESANDGOES LORO PIANA CAP ¥15,400、〈ユニバーサル プロダクツ〉T.M. REGULAR COLLAR L/S SHIRT ¥24,200、〈ユニバーサル プロダクツ〉BIG WAIST EASY SLACKS ¥24,200

現代的でもあり、「10年前の靴」と言われても不思議と納得してしまう。そして、10年後に履いていてもなんら違和感を感じさせないであろう普遍性がこのスニーカーにはあります。トレンドに固執されず、時代の壁を取っ払ったような仕上がりは、三好さんのライフスタイルの変化が影響しているのかもしれません。

「ぼく自身、飽き性で服は新しいものが好きなんですが、靴はクラシックなものが好きなんですよね。もちろん、新作のハイテクスニーカーとかもチェックしたりするんですが、結局こういうところに戻ってくるんですよ。個人的な話ですが、自分の子どもが生まれて日々成長していくなかで、もっと大きくなったときに『このスニーカーはお父さんがつくったんだよ』って言って渡したらどんな顔するんだろうって楽しみもあるんです。スニーカーをつくれる親父ってそういないと思うから(笑)。子どもが大きくなったときにも履いてもらいたいし、それと同じようにお客さんにとっても『このスニーカー、昔履いてたな』って思ってもらえるようなものにしたかった」

1LDK apartments. スタッフ 西山美優さん
〈クリスタセヤ〉 SILK&COTTON MAXI MAO SHIRTS ¥88,000、〈マイ〉3P SOCKS ¥3,080

「1LDK」が誕生して今年で13年。オープンから1年後に三好さんは入社し、中目黒という街の変遷とともに「1LDK」の変化も見続けています。現在では都内だけでなく、名古屋や京都に進出するなど、ショップの規模はオープン当時と比べ物にならないほど大きくなっています。けれど、スタッフの顔ぶれやラインナップが変わっても「1LDK」の軸がブレないのはどうしてなのでしょうか。

「“自分たちでできることは自分でやる”、入社当時に教えられたことなんですが、それはいまだに変わらないかもしれないです。最初1店舗だけだったのが、姉妹店ができ、徐々にショップの輪郭が広がるなかでも、ひとりひとりのスタッフが自分たちにできることはなんだろうって考えてやってきていた。ぼくも最初はショップスタッフとして働いて、いま事務所にいるスタッフたちもみんなショップを経験している。だからか、みんなお店のことを最優先に考えているんですよね。それに、お客さんに恵まれていることを肌で感じて行動に映してくれているのは、店で働くスタッフたちなんじゃないですかね。趣味嗜好は違っても、そこは共通言語としてあるのかもしれないです」

13年という長きにわたって、手渡されてきたバトン。そうして形づくられてきたのが、「1LDK」ならではのクリーンさや温かさといった“らしさ”の正体なんじゃないかと気付かされます。しかし、これまでの歩みは決して順風満帆なものではありませんでした。おそらく、コロナ禍も牙を剥いたそのひとつ。このエクスクルーシブも、実際のところCLUB Cの35周年である2020年に発売が予定されていたそうですが、状況を鑑み、発売の延期に至ったといいます。しかし、「コロナはネガティブなことだけじゃなかった」と三好さんは振り返ります。

「コロナの前は海外出張のたびに、パリにいる友達と会ってたんです。だけど、いまはこんな状況なので、かれこれ1年以上会えていない。でも、ポジティブに捉えれば、スニーカーを送ることでぼくたちが元気な証拠にもなるなって思ったんです。それにSNSだけでつながってる海外の知人と距離を縮めるきっかけにもなるのかなって。会ったこともなければ、どんな職業に就いてるかもわからないひとたちなんですが、インスタに投稿した写真を見て何かしらのシンパシーを感じてるからフォローし合ってるわけで。そういうひとたちにこのスニーカーを送ったらどんな写真を投稿してくれるのかなって思ったんです。言うなれば文通みたいな感覚。かっこいい写真が送られてくるか、履いてもらえるかさえわからない。ある種、実験でもあるんですがこんなときだからこそ許されるコンタクトの取り方なのかなって。きっとこういう状況じゃなかったら、海外に持って行って自分で写真を撮ったりしてたと思うんです。そういうのができない今だからこそ、今しかできない出会い方でスニーカーを届けられたらと思ってます」

「END CLOTHING」で働くKieran

Seoul在住。「thisisneverthat」デザイナー Park

コペンハーゲンの「mfpen」デザイナー Sigurd Bank

パリのデザイナー Alex Marchal

パリにあるサンドウィッチ屋「paperboy」のJames

スウェーデンのセレクトショップ「Nitty Gritty」バイヤー Erik

モントリオールのアーティスト Vincent

感謝の矢印。それは海外だけに向けられているものではありません。1LDKの手がける〈ユニバーサル プロダクツ〉を通じて広がった国内の仲間たちにもまっすぐと向けられています。

「13年目でようやく5店舗。店舗数はそこまで多いわけじゃないのに、こういう大きなナショナルブランドと一緒にものづくりできるようになったのは、どうしてだろうって考えた日があったんです。それは「1LDK」のお客さんたちだけじゃなく、〈ユニバーサル プロダクツ〉をはじめとする、ハウスブランドを販売してくれている地方のショップさんのおかげでもあるなと。

最初チノパンしかつくってなかった〈ユニバーサル プロダクツ〉を見て、ディーラーさんが「ウチでも取り扱いたい』って言ってもらって。それがキッカケで卸がスタートして、そのディーラーさんはいまでも展示会に来てくださっていて。ぼくたちがつくったものを、ディーラーさんのショップを通じて届けてくださっている。ウチのスタッフと同じことをローカルでもやってくれているひとがいる。それはすごく心強いことなんですよ。そういうひとたちの存在があったからこそ、13年も続いたのかなとも思っています。ほんとに周りのひとたちに感謝しかないです。入社したての自分は、いつかCLUB Cのデザインができるなんてまったく思ってなかったですからね」

Reebok × 1LDK “Club C 85” ¥14,300

SIZE:22.5cm〜29cm
COLOR:WHITE × NAVY(NAVYの変紐が付属)

INFORMATION

1LDK × Reebok

発売:4月3日(土)
Handling:
1LDK (03-3780-1645)12:00~
1LDK apartments. (03-5728-7140)12:00~
1LDK AOYAMA HOTEL(03-5778-3552)12:00~
1LDK kyoto(075-366-5556)11:00~
1LDK annex(052-211-9546)12:00~
1LDK ONLINE STORE 12:00~
Official Site

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