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FEATURE
映画『ゾッキ』公開記念インタビュー: 大橋裕之と又吉直樹が覗き込むゾッキ。とその雑記。
about a ZOKKI

映画『ゾッキ』公開記念インタビュー:
大橋裕之と又吉直樹が覗き込むゾッキ。とその雑記。

突如飛来した地球外生命体と戦うわけでもなければ、妹を背に鬼狩りに赴くわけでもない。友達の友達にいそうなアイツや、アパートの隣に住んでいそうなコイツが織り成す狂想曲、それが映画『ゾッキ』です。不可思議極まりないショートストーリーをひとつに集約した本作を語るのは、原作者であり孤高の漫画家・大橋裕之と、お笑い芸人にして小説家の又吉直樹。ふたりとともに愛しき“嘘と秘密”に満ち溢れた奇妙な映画『ゾッキ』の深淵を覗いてみよう。

story

今日も地球は“秘密と嘘”で回っている。ある女性は「秘密は大事に、なるべくたくさん持て」と助言する祖父の秘密の数に腰を抜かす。ある男は、あてがないというあてを頼りに、ママチャリと寝袋を携えて南を目指す。そしてある少年は、やっとできた友達から、いるはずのない自分の姉に恋をしたと告げられる。街のはずれで起こったささいな出来事たちの、その先の結末とは…。

PROFILE

大橋裕之

愛知県蒲郡市出身。2005年、『謎漫画作品集』などの自費出版漫画で本格的な活動を開始。『ニューオリンピック』『音楽 完全版』『シティライツ 完全版(上・下)』『遠浅の部屋』『ザ・サッカー』『ゾッキ 大橋裕之 幻の初期作品集(A・B)』(以上カンゼン刊)、『太郎は水になりたかった』(リイド社刊))、『大橋裕之の1P』(スペースシャワーネットワーク刊))など。16年には映画『あなたを待っています』に俳優として初出演にして初主演。21年3月、『ゾッキC 大橋裕之作品集』が発売。

PROFILE

大橋裕之

愛知県蒲郡市出身。2005年、『謎漫画作品集』などの自費出版漫画で本格的な活動を開始。『ニューオリンピック』『音楽 完全版』『シティライツ 完全版(上・下)』『遠浅の部屋』『ザ・サッカー』『ゾッキ 大橋裕之 幻の初期作品集(A・B)』(以上カンゼン刊)、『太郎は水になりたかった』(リイド社刊))、『大橋裕之の1P』(スペースシャワーネットワーク刊))など。16年には映画『あなたを待っています』に俳優として初出演にして初主演。21年3月、『ゾッキC 大橋裕之作品集』が発売。

PROFILE

Naoki Matayoshi

1980年大阪生まれ。99年に上京。NSC東京校5期生。漫才コンビ「線香花火」を経て、03年に綾部祐二氏と「ピース」を結成、10年のキングオブコント準優勝など幅広く活躍。15年に初中編小説『火花』を発表し、第153回芥川賞を受賞。同作は300万部を超える大ベストセラーとなり、ドラマ化・映画化・舞台化もされた。著書は他に『劇場』『東京百景』『夜を乗り越える』『人間』など。

PROFILE

Naoki Matayoshi

1980年大阪生まれ。99年に上京。NSC東京校5期生。漫才コンビ「線香花火」を経て、03年に綾部祐二氏と「ピース」を結成、10年のキングオブコント準優勝など幅広く活躍。15年に初中編小説『火花』を発表し、第153回芥川賞を受賞。同作は300万部を超える大ベストセラーとなり、ドラマ化・映画化・舞台化もされた。著書は他に『劇場』『東京百景』『夜を乗り越える』『人間』など。

わかりみとわからなさが同居する話。

ー 大橋さんの『シティライツ』では又吉さんが解説文を寄稿し、反対に又吉さんの長編小説『人間』が出版された際には3分でわかる試し読み漫画を大橋さんが描かれていました。これまでもたびたび交流があるおふたりが最初にお会いしたきっかけはなんだったんですか?

Ohashi:おそらく聞かれるだろうと思って昨日調べておきました(笑)。最初にお会いしたのは2007年。共通の知人であるライター・編集者の九龍ジョーさんが「会わせたいひとがいる」みたいな感じで、吉祥寺で飲みました。

Matayoshi:いろいろ喋りましたよね。

Ohashi:僕がお笑い好きだったので、一方的にいろんなことを聞いたと思います。たぶん失礼なこともいっぱい……。

Matayoshi:すごく楽しかったことを覚えてますね。そのあともふたりで何度かごはんを食べたり、ことあるごとに協力してもらったり。最初に漫画を見せてもらって、読んだらめちゃくちゃおもしろかったんです。

ー 大橋作品のどういった部分に惹かれたんですか?

Matayoshi:いっぱいあるんですけど、おもしろくて笑えるところと、妙なリアリティというか、わかるな~っていうところですかね。わからなさとわかるな~がどっちもあるというか。そのわからなさもいい方向に作用するんですが、リアリティがある空気感とか温度感のなかで、得体の知れない刺激もあったりするのが好きですね。作品によっては妙な懐かしさもあったり、いろんなおもしろさが混ざってるんですよね。

Ohashi:又吉くんのネタにもそういう妙な感じのものっていくつかあるよね、バケモノや妖怪が出てきたり。ぼくも昔からそういうのが好きで。前も又吉くんに会ったときに言ったと思うんだけど、なにかの番組で「この森を抜けたら……」みたいな一発ギャグをやっていて、それが好きなんですよね。

Matayoshi:あ〜、テレビで一回やったかもしれないですね。

Ohashi:もう一回聞いてもいいですか?(笑)。記憶があいまいで。

Matayoshi:(淡々と再現する又吉さん)客席に背中向けて、ちょっと腰かがめぎみで、しばらく走って、振り返って「この森を抜けたらわたしのことは忘れてください」って言うだけ。

ー (笑)

Ohashi:これがめちゃくちゃ好きで(笑)。なんか見たことあるような、ないような、懐かしい感じ。そこを突いてくるかっていうところが又吉くんらしい。

ー 限りなく非日常に近いリアリティを感じますね。

Ohashi:これをギャグにするセンスっていうのがね、もう。

Matayoshi:普通はやらないですからね、こんなウケなさそうやつ。そもそもギャグって呼んでいいんかな。

共鳴するアイデアの水源の話。

ー 共感するところも多いおふたりですが、どういったところから着想を得られてますか?

Matayoshi:これ聞きたかったんですよ。大橋さんの作品を読んでると切れ味がすごいし、どうやってつくってるんだろうと思ってました。どっから考えていくんやろうって。

ー 順序立てて考えるのか、それともオチからなのか。はたまたキャラクター先行なのか。

Matayoshi:はい。やっぱり物語になってるんで、ひとつのボケとかおもしろい瞬間を切り取るよりも、ストーリーに沿って複合的におもしろくなっていくっていう作品が多いと思うんです。やっぱり物語の頭から?

Ohashi:ひとつのシーンを思いついて、そこから足したり広げたりっていうことが多いかな。浮かんだシーンをスタート地点にするのか、中盤にもってくるのかとか。逆に又吉くんの小説とかネタはどういう風に考えているのか気になりますね。 

Matayoshi:小説の場合だと、「これ書きたい」っていうシーンが何個かあって、それに繋がる設定を決めて話の頭から書いていくって感じ。流れができちゃうと、シーンぜんぶを拾えるとは限らないんですけど。

Ohashi:(登場人物が)こういう会話をしててとか、そういう?

Matayoshi:そうですね。ひとに聞いておいてあれですけど、時と場合によって変わりますね(笑)。

ー そういったワンシーンっていうのは、日常生活の中で拾われるんですか?

Ohashi:それも時と場合によるかもしれないですね。自分の体験だったり、ひとから聞いた話だったり、ぽっと思いついたものもあれば。

Matayoshi:大橋さんの作品って素直に笑えるおもしろいやつと、おもしろいけど最後グッとくるやつありますよね。そっちも好きなんですよ。

ー じんわり胸に刺さるような「父(『ゾッキA』集録)」みたいな作品ですね。

Matayoshi:そうです。そのじんわりが作為的じゃなくて、自然とそこにあるという感じがしていいなと思います。

Ohashi:意図してるつもりはないんですが、そういうのよく描くってことはたぶん好きなんでしょうね。自然とそうなってしまう気がします。

あなたの近くにもいそうな“コイツ”の話。

ー それでは映画『ゾッキ』についても。又吉さんはご覧になられていかがでしたか?

Ohashi:あ、又吉くんも映画観てくれたんですね。

Matayoshi:観ました観ました、おもしろかったです。大橋さんの世界観みたいなものが映画にも一貫して流れていて、漫画とはまた違うおもしろさがあって好きでしたね。

Ohashi:うれしい。

ー とくに印象的なエピソードはありましたか? 大橋作品の細かなエピソードも散りばめられていましたが。

Matayoshi:伴くんの話が好きでしたね。いいお芝居されてましたよね。

Ohashi:あれよかったですよね。

ー 伴くんを演じられたのは、又吉さんの後輩芸人でもあるコウテイの九条ジョーさんでしたね。

Matayoshi:まだ会ったことないですけどね。あれは完全に伴くんでしたね。

ー 原作の漫画『ゾッキA』と『ゾッキB』は短編集でしたが、映画の方はその短編を紡いで一本のストーリー仕立てにされてました。大橋さんはどんな風に観られましたか?

Ohashi:最初は「こう繋がるんだ」という驚きがあって、何度も見るうちに馴染んできて楽しめました。ぜんぶがぜんぶ原作通りではないですけど、ぼくの漫画を読んだことない方が観たらどう思うのかなっていうのが気になりました。

ー たしかにそれぞれの短編がシームレスにつながっていました。竹中直人さん、山田孝之さん、齊藤工さんといった個性豊かな3名の方が監督をしているとは思えないほどでした。

Matayoshi:そのつながりとかを見ていておもしろかったですね。このキャラクターがここで出てくるんや、みたいな。

ー そのなかでも印象に残っているエピソードはありましたか?

Matayoshi:ぜんぶおもしろいですけど、ぼくはやっぱり伴くんが好きですね。この登場からおもしろいですよね、(頭の)角度が。

Ohashi:くの字のね。

Matayoshi:あと、この入口みたいな会話はありましたよね。こいつ姉ちゃんの質問多いなみたいなのは、経験したことあるひとも多そうですよね。

Ohashi:(Laughter)

Matayoshi:伴くんとは違いますけど、こいつ俺んちで飯食おうとしてるなみたいな友達とか。そろそろ帰ってほしいねんけどなとか。(伴くんは)そういう不気味さはあるけど、悪いやつではないですよね。嘘がどんどん大きくなっていくところとか、おもしろいですよね。

ー ちなみに伴くんにモデルはいますか?

Ohashi:キャラクター自体ではないですけど、高校時代の同級生が、友達のお姉ちゃんのパンツを売ってもらったっていうことはありましたね。あんなキャラではないですけど。

Matayoshi:そういうのがヒントになったりもするんですね。

Ohashi:たぶん、そのときはストーリーは思い浮かんでないんですけど、“アイツが友達の姉ちゃんのパンツ買った”みたいなエピソードは、いつかネタにしようと思ってメモっていて、そっから膨らませていって。

Matayoshi:そっから膨らませられなさそうですもん、自分なら。映画もトータルで一個の作品として見てるんですけど、やっぱり一つひとつの短編に個性があるんですよね。たぶんぼくや大橋さんとかなら、パンツの話とかおもしろいと思って、実際に友達に話したりすると思うんですけど、たまに何年も前から仲良いのに「子供の頃な~」ってめっちゃ変な話持ってたりするひといるじゃないですか。なんでそれいままで言わんかったんっていう(笑)。親とかでもあるじゃないですか、なんでそれ今日の今日まで黙っててんみたいな。

この『ゾッキ』はだれもが語りたい話じゃないかもしれないけど、この世界のどっかにはあるんやろうなって。20人くらいの飲み会でワーワーする話とかじゃなくて、ふたりで飲んでるときに「あのな」って始める話というか、それが映像から伝わってきたのがいいなと思って。 

ー 大橋さんのつくるキャラクターは得体の知れなさはあっても、愛嬌というか人間臭さがありますよね。

Matayoshi:なんかね、大橋さんの漫画もそうやし映画もそうなんですけど、登場人物が魅力的ですよね。急に旅に出て、あんま遠くまで行かず、しれっと帰ってくるっていう。それでええやんって思うんですよね。ほんまに行っちゃうひともすごいと思うんですけど、だんだん不安になってきて引き返してくるとか、好きですね。

Ohashi:人間らしいですよね。

Matayoshi:ぼく、30歳くらいまで吉祥寺のアパートに住んでたんですけど、そのときに隣に住んでる人がたまにドアを開けっ放しにしてて、そこからリュックとか旅のものとかを干してるのが見えてたんです。それで「しばらく旅にでます」ってドアに張り紙をしてたりするんですよ。けっこう部屋を空けがちで、ぼくは隣を気にせず音楽が聞けたりしてたんでよかったんですけど、そうなってくると、その人が帰ってきて隣におることが、だんだんめっちゃおもろなってくるんですよ(笑)。旅人がいま家におるっていうのが、おもろくなってきて。

Ohashi:それ「旅」って書いてあるの?「用事」とかじゃなく。

Matayoshi:そう、「旅」って。

Ohashi:「旅」を強調したいのかな、やっぱり。

ー 旅人のプライドめいたものを感じますね。

Matayoshi:事実そうだとしても、なかなかそうは書けないですよね。変わったひとなんでしょうけど、そういう実はおらんことない隣人、みたいな空気感が大橋さんの作品にはずっとありましたね。

ー そこが先ほど又吉さんが話していた、妙なリアリティですね。

愛すべき嘘と秘密の話。

ー おふたりはご自身が書かれた作品が、別の形で作品化されることも多いですが、自身の作品でもあり、他者の手が加えられた作品でもあります。巣立つ我が子を見送るような気持ちなんでしょうか?

Ohashi:まったくの他人事ってわけでもないんですが、あんまりぼくのものだっていう感じでもないですね。映画は映画で監督が苦労してつくっている作品なので。むしろ、ぼくの絵もパパッと描いているものなので、何度か映像化とかアニメ化とかしてもらって、そっちのほうが完成度が高いような気がします。そう思ってしまうくらい別物になっていく感覚はありますね。

Matayoshi:へえー。自分が書いていない部分が足されていて、そこが違和感なかったときうれしくないですか?

Ohashi:それはうれしいですね。

Matayoshi:映画でおもしろい部分があったら、原作のその部分を見返して、自分で書いたかを確認しますね。

Ohashi:ああー(笑)。

Matayoshi:「書いてた書いてた、よかった〜」みたいな。ぼくも大橋さんと同じで、たしかに完全に自分のものっていう感覚はないですね。別もん。役者さんの身体を通して映像になっているので、それはたしかに。

Ohashi:(映像は)細かい描写が足されていて、より伝わりやすくしてもらってるなと思いますね。コップを持つ仕草とか、そういう細かいところは漫画で省略したりするので。

Matayoshi:ぼくも1、2行しか書いていないような圧縮保存していたところを、正しい形に広げてもらったときとか、大変やったやろなと思いますね。いっかい、3千文字くらいの話を1時間半くらいの映画にしてもらったことがあって、めっちゃ苦労したやろなって。でも話が間延びせず破綻していないというか、ぼくが書いてないことを足さずに、上手く構成されているのを観れたときはうれしかったですね。

ー 映画『ゾッキ』は“嘘と秘密”が一つのテーマになっていて、大橋さんの作品でも他人を傷つけないような“嘘と秘密”であれば許されているように感じました。

Ohashi:ある程度はしょうがないものかなとは思っているかもしれないですね。

Matayoshi:まったく嘘がないってたぶんすごく息苦しいですよね、全員が正直だと。「わたし率直に物言うんで」みたいなひといるじゃないですか。だいぶまわり大変やで? っていう。

All:(Laughter)

Matayoshi:だから、ある程度の嘘とか秘密とかってだれでもあるんちゃうかなって。それで良いかなと思いますけどね。

Ohashi:嘘で固めていくとさすがに自分自身もしんどくなりますしね。

Matayoshi:ありますね。そこそこ成長してしまった嘘を、もうみんなで育てようみたいなときもある。今回の映画にも、原作自体にも、伴くんとの話でもそうでしたけど、みんなで嘘を育ててましたよね。ぼくもその経験があって、大阪から上京してきたときに、高校の同級生が先に上京していて、アルバイト先に遊びに行ったとき、「一旦バックルームで待っててくれ」って言われて待ってたんです。そしたら、周りの人達から聞く彼の話のほとんど嘘やったんですよ。

彼はサッカー部も途中でやめ、高校も中退して上京してるんですけど、年齢も経歴も一切偽ってバイトしていたから、嘘で固めないとあかんくて、そのときになぜか彼はぼくのエピソードを自分の話として喋ってたんですよ。サッカーの選抜チームに入ってたとか。ほんなら、ぼくの話すエピソードがなくなっていって。

All:(Laughter)

Matayoshi:周りから「彼はこうだったんでしょ」っていう話が、僕の話やから。でも、そこで「その話は俺のなんです」って言えるタイプでもないので、「あいつほんまそうでしたね~」っていっしょに育てていくしかなくて(笑)。それとは別でぼくの話をするときに、自分のエピソードが取られているから「ぼくはこうでした」っていう嘘もつかざるをえなくて。それに彼はぼくと同級生ってことだけは正直に話してたんで、ぼくもサバ読まないとあかんくなって。

All:(Laughter)

Matayoshi:で、仲いい友達やったんで、ぼくが彼の家に泊まりに行ったときに、自慢するため選抜チームのユニフォームを寝間着として持っていったんですよ。でもなんかあげてしまいましたね。

ー 嘘にリアリティを持たせるために(笑)。

Matayoshi:はい、その選抜チームに入ってたっていうエピソードを知らないふりして、「これやるわ~」って。ほんなら、そいつも「いいの?」って感じですんなり受け取って。選抜のユニフォームはいまのおれより、おまえのほうが必要やろって。

Ohashi:すごいよね、そういうところでそんなエピソードに遭遇する又吉くんがうらやましい。いま聞いたら笑えますけど、実際その状況に陥ったらきついですよね(笑)。

Matayoshi:いまとなってはそういう特別な、大橋さんの物語に出てくるような、ちょっとやっかいやけど可愛らしいみたいなひとが、昔から好きやったんだと思いますね。そいつはぼくに金を借りて、ぼくのバイクで疾走していったんですけど。

ー (笑)。大橋作品で言うところのゲボ野郎ですね。

ふたりでコントをつくるかもしれない話。

ー 大橋さん自身は監督もされてらっしゃいますが、ご自身の作品を自分で監督したい思いはありますか?

Ohashi:監督と言っても遊び程度ですけどね。自分の作品を監督か……。既存の作品を自分の手で映像にするって気持ちはあまり強くないんですが、アイデアが浮かんだときに、もしかしたら漫画より映像だったり、ほかの表現方法のほうが合いそうだなと思うことはありますね。芸人さんの前で恐縮なんですけど、コントでやったほうが伝わりやすいのかなとか思うことはありますね。

Matayoshi:アイデアが浮かんでも漫画に落とし込みづらいみたいこともあるんですか?

Ohashi:ありますね、コントで見せたほうがより伝わりやすいのかなとか。ぼくはコントのなんたるかを知らないんですけど。

Matayoshi:大橋さんがコントとかやったらおもしろいと思いますけどね、佇まいが。

Ohashi:あ、やるほうですか?

Matayoshi:今回もワンシーンだけ出演されてましたけど、なんていうか、画の中にいる大橋さんの部分の密度がすごい濃いなっていう。

Ohashi:それ邪魔になってません……?(笑

Matayoshi:なってはないんですけど、「こいつ脇役じゃないな」みたいな只者ではない感じでした。

ー エキストラ的な出演でしたが、たしかに存在感がありました。おふたりでやるコントライブや映像作品は興味があります!

Matayoshi:じゃあぼくと大橋さんが書いて、だれかにやってもらいましょう。

Ohashi:いいですね。

ー その際は、コウテイの九条ジョーさんにでも。

Matayoshi:忙しいからやってくれるかな。

INFORMATION

映画『ゾッキ』

原作:大橋裕之「ゾッキA」「ゾッキB」(カンゼン刊)
脚本:倉持裕
監督:竹中直人、山田孝之、齊藤 工 
出演:吉岡里帆、鈴木福/松田龍平ほか
音楽監督:Chara

製作幹事:and pictures ギャガ
支援:映画「ゾッキ」蒲郡プロジェクト委員会
後援:蒲郡市
配給:イオンエンターテイメント
宣伝:ガイエ
©️ 2020「ゾッキ」製作委員会 (C)Hiroyuki Ohashi / KANZEN 2017

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