Style01_JEAN STANDARD
フイナム:今回は〈アー・ペー・セー〉のリジッドデニムを使って、若者と大人、それぞれの世代に合ったコーディネートを組んでいただきました。梶さんのお話も交えながら、〈アー・ペー・セー〉の魅力を紐解いていければと思います。
梶:はい、よろしくお願いします!
フイナム:梶さん自身〈アー・ペー・セー〉のデニムを愛用されていますが、どういった部分に魅力を感じているんですか?
梶:まずは形ですね。自分の好みに合わせて、こんなに細かく選べるブランドってあまりないじゃないですか。あとはちゃんとお洒落に穿けるところ。
フイナム:お洒落というのは?
梶:デニムの中にもいろいろカテゴリーがあるけど、そのどれにも当てはまっていないところがお洒落だなと。デザイナーズブランドのものみたいにデザインが効いているわけじゃないし、かといってヴィンテージぽくもない。
フイナム:いい意味で記号がないと。
梶:そうそう。そういうデニムのあり方は〈アー・ペー・セー〉がおそらくはじめて。だから、90年代に日本でデニムが爆発的に人気になったんだと思います。
フイナム:ミニマルであることが革新的だったんですね。
梶:あと、〈アー・ペー・セー〉の登場以前は、お洒落に興味のある人はアメリカブランドのデニムを穿いていることが多かったけど、〈アー・ペー・セー〉がフランス的な目線でアメリカ由来のデニムを解釈したところも新鮮に映ったんじゃないかな。
フイナム:「ジーンスタンダード」を使ったこのスタイリングも、アイテム自体はアメリカ的ですよね。
梶:そうですね。カバーオールとデニムは両方ともワークウェアだから、普通ならカジュアルになっちゃうんですけど。
フイナム:〈アー・ペー・セー〉のアイテムだからこそ上品に着地したんですか?
梶:まさにその通りだと思います。
フイナム:インナーに着たタートルネックがほどよくアクセントになっています。
梶:ハイネックのタートルのおかげで、繊細で知的なムードになりましたね。あとは全体の色味をモノトーンにすることで、より落ち着いた雰囲気にしています。
フイナム:上品さとカジュアルさのバランスがちょうどよくて、これなら若者でも取り入れやすそうです。
梶:若者が着るなら、かっちりし過ぎていると、計算された感が出過ぎるかなと思って。カジュアルなアイテムをベースにしつつ、タートルネック、サイドゴアブーツとかで、ちょっと背伸びするぐらいがちょうどいい気がします。
フイナム:計算し過ぎるとことで、これ見よがしになってしまう部分もありますよね。
梶:計算することも大事なんですけど、意図的な部分と自然な感じの間で、どこに位置取るか。その空白の部分でのせめぎ合いがファッションの楽しさだし、それがスタイリングするということだと思います。