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ボクとJeep®の暮らしかた。 vol.14「写真家・若木信吾」

My Jeep®, My Life.

ボクとJeep®の暮らしかた。 vol.14「写真家・若木信吾」

世界初のSUVとして世界中の人々に愛される〈ジープ(Jeep®)〉。フイナムでは昨年からジープと取り組みを行ってきましたが、今シーズンよりさらにグレードアップして情報を発信していきます。ジープを中心に「CREATIVE GARAGE」というコミュニティ・プロジェクトが立ち上がり、フイナムではもちろん、新しく立ち上がったスペシャルサイト、そしてJ-WAVEのラジオ番組「Jeep® CREATIVE GARAGE」という3つのレーベルから、「現代のスタンダード」をテーマに新しい創造を生み出すためのアイデアや情報をお届け。フイナムでは「原点」、「スタンダード」という言葉をキーワードに、多彩なゲストを迎えてそれぞれのストーリーを紡ぎます。今回は写真家・若木信吾さんが登場。幼い頃から写真を撮り続けて来たという若木さんのルーツ、そしていま抱いている写真への想いを語ってもらいました。

  • Photo_Fumihiko Ikemoto
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Jun Nakada
  • Produce_Kitchen & Company
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This article is a joint project with the radio program "Jeep® CREATIVE GARAGE" on J-WAVE (81.3 FM). AKO and HOUYHNHNM's editor-in-chief Ryo Komuta will be the program navigators, and will delve into the roots and staples of the guests on the theme of "standards" for about an hour on the last Sunday of each month at 10:00 p.m. In addition, using "radiko," a service that allows you to listen to the radio on your computer or smartphone, you can listen to the show in real time or at your own leisure with the time-free function. We hope you will enjoy this new approach to radio and HOUYHNHNM's together!

はじまりはおじいちゃんが買ってきたコンパクトカメラ。

写真家として様々な雑誌や広告を中心に活躍する一方で、写真集も精力的にリリースする若木信吾さん。長いキャリア築き上げながらも、それにおごることなく、好奇心にあふれる少年のような心を持って自身のやりたいことと真摯に向き合っている。写真を撮るという行為は誰にでもできるが、そこには若木さんにしか写せない瞬間が切り取られている。なぜ、そんな写真が生まれるのか? 自身と縁深い場所、栃木県芳賀郡にある益子町を訪れ、若木さんと写真の関係を紐解く。

「はじめてカメラに触れたのは小学生のときです。ちょうどフィルムのコンパクトカメラが出てきた頃で、テレビのCMを見て『おもしろそうじゃん』って話しながらうちのおじいちゃんが買ってきて、それをいじったのが最初かな」

益子町に到着して、まず最初に訪れたのは「濱田庄司記念益子参考館」だった。陶芸家である濱田庄司が創作の上で参考にした世界中から集められた作品の数々を、一般の人々にも同じように見てほしいという願いから開設された。

70年代の終わりから80年代初頭にかけて一般に浸透したコンパクトカメラ。それまでのカメラといえば、状況に合わせてシャッタースピードや絞りなどを調整して撮らなければならなかったが、コンパクトカメラの誕生によってすべての設定がオートマチックになった。だから小学生でも簡単にカメラを操れるようになったという。

「ファインダー越しに見ていた景色がプリントされて実体化するのが面白かったんだと思います。いまだとデジタルが主流だからすぐにチェックできるけど、昔はそうじゃなかった。プリントが上がってくるまで時間がかかったし、小学生だからそのあいだに刺激的なことがたくさんあるでしょう? だからシャッターを押したことも忘れてるはずなんだけど、ぼくはなんか覚えてたんですよ。それがおもしろくて、いろいろ撮るようになったんです」

ランドセルを背負いながら、荷物のなかには教科書や文房具のほかにカメラがあったという。放課後になるとそれを取り出して、同級生を撮ったり、下校途中の景色にレンズを向けていたそうだ。

「授業中はさすがに撮らなかったけど、放課後は先生がいなかったから。すぐに家に帰らずに友達を撮ったり、ブラブラ寄り道しながらいろんな風景を写真に収めていました。小学生だから自分の学区の外に出ることすら冒険でした。でもね、そうゆう行為がすごく楽しかったし、好きだったんです」

写真を撮ることに自分の存在意義を見出した。

そうして写真を撮ることの楽しさを享受してきた若木さん。もちろんそれは中学生になっても変わらず、むしろその頃から職業として写真家を志すようになったという。

「友達を撮った写真が雑誌のコンテストで賞を獲って、賞金をもらえたんですよ。それがきっかけで“写真家”というものが自分のなかですごく具体的になって。ぼくはスポーツができるわけじゃないし、絵が上手いわけでもなかった。でも、写真だけはほかにやっている人がいなかったんです。だから立ち位置が明確だった。自分の存在意義のようなものを感じたのかもしれませんね」

当時の若木さんが影響を受けていたのは雑誌。本屋へ行き、片っ端から雑誌を読んでいたという。

「ぼくは『ZOOm』や『PHOTO JAPON』が好きだったな。洋雑誌のような雰囲気があって、外国の写真記事が多く掲載されていて、『かっこいいなぁ』なんて思いながら眺めていました。当時は80年代で、日本も海外の広告写真に影響を受けている時代だったんです。そのなかでぼくはファッションの写真が好きになって、自然と気持ちがアメリカに向いて行ったんですよね。ブルース・ウェーバーやメイプル・ソールなどの写真家が当時のアメリカの活気を映し出していて、それに憧れたんです」

そうしたアメリカに対する憧れが高校時代の若木さんの心を支配する。当時は時代のムードもアメリカに向いていた、と若木さんは話す。留学という選択肢はこの頃から徐々に芽生えたそうだ。ニューヨーク州にあるロチェスター工科大学。芸術の分野ではアメリカのなかでもトップレベルの大学で、数多くの写真家や芸術家を輩出しているという。若木さんは、この大学の写真科を卒業している。

「技術的なことよりも、写真とは? みたいな命題のようなことをそこで学びました。自分が撮った写真に対して説明をしたり、人の撮った写真をどう思うか? みたいなことを授業で討論するんです。だからいろんな写真を見せられて、インプットした記憶がありますね。相変わらずブルース・ウェーバーは好きだったし、リチャード・アヴェドン、ニック・ナイトもいいなって思っていました。あとはロバート・フランクとか、リー・フリードランダーといった60年代から70年代のストリートを映し出す写真家たちにも影響されましたね」

そういったカルチャーに後押しされながら、若木さんの写真のスタイルも変化していったという。

「影響されてなんぼですよね。当時は写真だけじゃなくて、映画や音楽もそう。気になるものは片っ端から観たり聴いたりしていました。たくさんのアートにも触れましたし。昔に限らず、いまもいいなぁと思うことはたくさんあります。でも、いまはもうスタイルを変えようとは思わないです」

アンティーク家具や衣類、そして地元である益子でつくられた陶器を扱う「pejite」。約60年前に建てられたという米蔵を改装した店内は、広々として落ち着いた空間が広がり、まるで時が止まったような錯覚を起こす。

被写体とのリンクの強さ。それが表れる写真が好き。

若木さんがスタイルを変えようと思わない理由。それは、人に影響されることも重要だけど、それ以上に、自分にしか撮れない写真を撮ることも大事だからだと話す。それが長いキャリアのなかで若木さんが培ってきたことなのだ。

「もう人と同じことはできないですね。自分でやったものの方が価値がある、そう思うようになったんです。自分がここにいることの証明というか、自分の写真を撮ることが大事だなって」

若木さんがいいと思う写真。それは一体どんなものなんだろう? そんな質問を投げかけると、「うーん、どうなんだろう…、難しい質問だなぁ…」と悩む姿を見せながら、じっくりと言葉を選んでその問いかけに答えてくれた。

「被写体とのリンクの強さ。それが表れる写真がぼくは好きです。それはつまり、その人が撮る理由があるということだから。技術的なことは関係なくて、この人だからこの写真が生まれた、ということがハッキリしていることが大事なんじゃないかと思うんです」

「あと、話の角度がちょっと違うかもしれないけど」という前置きを添えて、若木さんはこんなことも話してくれた。

「写真は人に見られることによって面白味が増すんです。雑誌に載ったり、ネットで見れたり、メディアを通して拡散される。とくにメッセージとかはないんだけど、ひとつの写真が知らない人たちの手元に届いて、いろんな感情を巻き起こす。それがおもしろいんです。だからこそ、ぼくは写真を撮ることを仕事にしているんだと思う」

写真を通して伝えたいメッセージはない。でも、それを見た人が何かを思うきっかけになる。媒介としての写真の力を若木さんは“おもしろい”と話す。

「ぼくの気持ちとは関係なく、写真が一人歩きをして誰かの心を揺らす。それってなんか不思議ですよね。漫画にしても、アートにしても、ファッションにしても、何かの感情を巻き起こす力を持っている。それがクリエイティビティだと思うんです。写真を撮って、それを誰かが見て、楽しい気分になったり、心の中にあるストーリーと重ねてくれたらぼくはうれしいですね」

名もなき人の技術によって長年温められてきた美しさ。

今回、若木さんが〈ジープ®〉の「グランドチェロキー」に乗って訪れたのは、栃木県の南東部に位置する益子町。“益子焼”でも知られる陶器の町だ。

「益子に初めて訪れたのは10年くらい前のこと。日頃からお世話になっている写真家の高橋恭司さんに連れて来てもらって、すごくおもしろい町だな、とそのとき感じたんです。今日訪れた「益子参考館」、「pejite」、「starnet」のように、のどかな風景の中におしゃれな建物やお店があって、なんというか、他のどの町にもない景色がここにはある。それ以来、年に一度はなんだか訪れたくなるんですよね」

東京・馬喰町にも支店をもつ「starnet」。雑貨や衣類に加え、有機野菜を中心とした食材を販売するほか、カフェやヘアーサロン、ギャラリーも併設。土地に根ざした豊かな暮らしを提案している。

益子町を訪れて感じたこと。その想いを参考に、2010年、若木さんは自身の書店「BOOK AND PRINTS」を地元である静岡・浜松にオープンさせる。

「これは自分の基準になっちゃうんだけど、本屋やカフェなど、居心地のいい場所が当時の浜松にはなくて。場所は違うけど、山梨にも益子に似た素敵な雰囲気のギャラリーがあって、『同じことができるんだ!』って益子に来て思ったんです。いろんなタイミングが重なったのもあるんだけど、『俺にもできるかもしれないな』と思って浜松に本屋をオープンしました」

「starnet」のはなれには「tonerico」というカフェ兼図書館もある。古書や骨董古道具、動物の剥製などが所狭しと置かれ、異空間が広がる。雑貨類の販売もあり。土・日・月の曜日限定でオープンしている。

のどかな空気が漂いながらも、そこには独自のペースがしっかりと根付いている益子。ただ単にセンスのいいお店があるだけではなく、町の風土やそこで生活する人たちの生き方にも若木さんは魅力を感じているという。

「益子焼で知られるように、ここは民藝の町なんですよね。柳宗悦さんと濱田庄司さんが民藝運動を押し広めてこの町もそうなったみたいなんですが、街全体がひとつの方向に向かっている感じがして、そのムードがぼくは好きなんです。民藝には、名のある作家主義というよりも、名もなき人の技術によって長年温められてきた美しさがあって、ぼくはそこに惹かれる。誰かが作った陶器に触れて、自分の心がふわっと温かくなる。その現象に、自分が写真を撮り続ける行為と似たものを感じたんです」

グランドチェロキーはワンランク上のクルマ。

若木さんは益子について「東京からクルマに乗って来れる距離。そこもいい」と話す。仕事や、家族との用事など、普段から移動はクルマに乗ってすることが多いという若木さん。運転中はどんなことを考えているのだろう?

「いろんなことを考えますね。ぼくの場合、アイデアって椅子に座ってただぼんやりと考え事をするよりも、なにか他の作業をしながらのほうが生まれやすい。運転しながら流れる風景を眺めていると、ふといいアイデアが浮かんできたりします。ぼくは仕事や家族との時間が生活の大部分を占めているから、ひとりになってゆっくりと考え事ができるのは運転しているときくらいなんです。それこそ自分にとっては特別な時間ですね」

若木さんはその昔、〈ジープ®〉のオーナーでもあったという。当時乗っていたのは「ラングラー」だった。

「乗っていたのは8年くらい前ですね。ニューヨークにいたときに乗っている人が多かったんです。というのも、ぼくが住んでいたところは冬になると雪が20メートルくらい積もってしまうので、生活にSUVが必要不可欠でした。そんな思い出もあって、なんとなくSUVがいいなと思っているときに見つけたのが『ラングラー』だったんです。ジープはやっぱり走りが力強くて、車体も頑丈。恐いものなしで、安定感がありました」

今回乗ってもらった「グランドチェロキー」に対しては、どんな印象を持ったのだろうか?

「ここ最近、ジープは普遍的になりましたよね。すごく都会的な仕様になったと思います。とはいえ、元々持っていた力強い走破性を継承しているし、スペックが衰えていない。この『グランドチェロキー』も同じ印象です。ハンドル操作がスムーズで運転のしやすさにはビックリしました。このクルマ自体、重厚感のあるイメージなんだけど、それを感じさせない軽快さというか。運転席から眺める目線の位置も高いから、視野が広いところもいいですよね。あと、車内空間の快適さも魅力に感じました。すごく大きなクルマという印象があるんだけど、実際は使いやすいサイズ。かといって車内が狭く感じるかと言われれば、そうじゃない。これなら余裕を持ってドライブを楽しめそうですね」

続けて若木さんはデザインに対しても言及する。

「街乗りの感覚が強くなったとはいえ、単なる乗用車ではない雰囲気がありますよね。ワンランク上のクルマ、そんなオーラを『グランドチェロキー』はまとっている気がします」

誰かが喜んでくれたならそれでいい。

長いキャリアを重ねながら、真摯に、そして自分のペースでやりたいことを実現させてきた若木さん。写真家としての活動や、先ほど触れた書店の経営以外にも、雑誌を創刊したり、映画を撮ったりと、幅広いフィールドワークで周囲に刺激を与え続けている。そんな若木さんにとってのスタンダードについて尋ねてみた。

「やれそうなら、やる。これがぼくのスタンダードかな(笑)。頭の中で完結しないで行動してみることで、想像していた以上のことが起こるんですよ。もちろん、やってみて成功するとは限らないんだけど、それで後悔したことは一度もない。というのも、ぼくは利益を追求しないというか、数値的な目標設定をしないんです。行動を起こしたことで、金銭的な損失が出たとしても、誰かが喜んでくれたならそれでいいやって思っちゃう。ぼくがやることはどれも遊びの延長でやってるようなものだから(笑)」

失敗を恐れず、やりたいことに挑戦する。その気持ちの裏側にあるものを若木さんは最後に教えてくれた。

「いままでいろんなことにチャレンジしてきたけど、それは根本に写真家としての自分がいるからなんです。写真家としての活動の基盤がしっかりできあがっているからこそ、他のことにも挑戦することができる。やっぱり自分にとって写真は欠かすことのできないものですね」

Jeep Free Call

Phone: 0120-712-812
Jeep® Grand Cherokee Limited(ジープ グランド チェロキー リミテッド)
¥5,994,000~(全国メーカー希望小売価格[税込])
Major equipment
Right-hand drive
4,835mm x 1,935mm x 1,805mm
Seating capacity: 5 passengers
V6 DOHC
Total displacement: 3,604 cc
Maximum output (kW/rpm): 213 (290ps) / 6,400 (ECE)
Maximum torque (N-m/rpm): 347 (35.4kg-m)/ 4,000 (ECE)
Always 4-wheel drive
Electronically controlled 8-speed AT
Regular unleaded gasoline
濱田庄司記念益子参考館
住所:栃木県芳賀郡益子町益子3388
電話:0285-72-5300
www.mashiko-sankokan.net
pejite
住所:栃木県芳賀郡益子町益子973-6
電話:0285-81-5494
www.pejite-mashiko.com
starnet
住所:栃木県芳賀郡益子町益子3278-1
電話:0285-72-9661
www.starnet-bkds.com
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