熱帯魚店で悪巧み。
「……そのとき◯◯のメガネが妖しく光った。」
そんなシーンを小説等でよく見るけど、実際のところメガネを妖しく光らせるのはなかなか難しい。三宿にある熱帯魚店「ギブリ」であれば、かわいい熱帯魚を見ているだけで、メガネが妖しく反射して、なんだか悪巧みをしている感じになります。
熱帯魚店の出てくる映画といえば『冷たい熱帯魚』とすぐにイメージしたあなたは正しい。悪巧みという言葉では追いつかないあの映画で、あの主人公もメガネを掛けています。メガネを引き立たせるビジュアルには、熱帯魚店はやっぱりもってこいなのです。
メガネのレンズ越しに熱帯魚を眺めていふたりの鈴木さん。水槽のレンズ越しにこちらを眺めてくる熱帯魚たち。レンズ越しにお互いを見合うという、このなんてことない瞬間も熱帯魚店では様になります。この魚がさらに「スズキ」だったらなあ、というのはほんの余談。
このときふたりが掛けていたのは、どちらもオーセンティックなムードですが、実は違うタイプなんです。
浩介さんは、セーターやデニムというトラッドな装いながら、デニムのディテールやシューズからフレンチワーク感も漂います。ブラウンのボストン型のメガネは、ブラックほど強くなく、こういったオーセンティックなスタイルにこそハマりがいい。
康介さんはスモーキーなクリアのウェリントン型。跳ね上げたようなフォルムが特徴的です。格好を見てみると、トップスはインディゴ、ボトムスはブラックのデニムで、インナーのジップセーターでモード感をすこしだけプラス。無骨な印象も、主役のようなメガネのおかげでバランスが取れるというものです。