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FEATURE

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Look Studio, a creative site.
STILL LQQKING FOR

Look Studio, a creative site.

気づけばみんなが知っていて、だけど多くは語り得ない。ストリートで、カルチャーシーンでこれだけのプロップスを築いた後も、その全貌はなかなか見えない〈ルックスタジオ(LQQK STUDIO)〉という存在。創設者として舵取りを続けるアレックス・ドンデロが本拠地のブルックリンから東京へやってきたタイミングで訊いた、彼と仲間たちについてのナマの話。未来を見据えるアレックスの言葉から、そこに渦巻くエネルギーとクリエイティビティの正体が見えてくるかも。

  • Photo_Ryohei Obama
  • Text_Rui Konno
  • Edit_Seiya Kato

PROFILE

Alex Dondero
(アレックス・ドンデロ)

1986年生まれ、フィラデルフィア出身。2011年に商標を取得しているが、本人曰く「最近まで忘れてたけど、実際にはその2年くらい前からすでに〈ルックスタジオ〉としてやってたんだ」とのこと。ブルックリンを拠点に、独自のコミュニティとカルチャーを創出する無二のプリントスタジオを主宰する。

スタジオ名は単語をビジュアル化させたもの。
自分のやってることってそういうことだよな、って。

− 日本に来たばかりで時間を割いてくれてありがとう! 早速なんだけど、〈ルックスタジオ〉のことはみんな知ってると思うけど、アレックスのことをよく知っている人は少ないだろうから、改めて自己紹介をお願いできるかな?

そうだね。〈ルックスタジオ〉のファウンダー、アレックス・ドンデロです。〈ルックスタジオ〉は印刷にデザイン、音楽とか、いくつかの異なる要素とコミュニティを持っていて、僕のいまの役割はその全要素のキュレーターみたいな感じだよ。創設者ではあるんだけど、他の役割よりもそこに特化してる気がする。

− “クリエイティブ集団”みたいな言い方が合ってるのかな?

そこなんだよね。僕らはいつも不思議なことをやってるから。いまとなってはクリエイティブエージェンシーみたいな面もあるし、必ずしもコレクティブってわけでもないと思うけど、人を惹きつけるような大きな集団的エネルギーはやっぱりあると思う。僕のバックグラウンドはそういう集団のエネルギーがあるところだし、それが自分の指針になってるよ。

− 〈ルックスタジオ〉のプロフィールは、“ニューヨークのプリントスタジオ”となってることが多いと思うけど、その表現はいまも適切なのかな?

“プリントスタジオ”って僕らを呼ぶのはいい紹介の仕方だと思うよ。理由は、ただの“ブランド”だったらつまらないから。〈ルックスタジオ〉の服を買ってくれる人、着てくれる人たちが他にも僕らがやってることとか、クリエイティブな部分を好きになってくれたら嬉しいと思ってる。プリントスタジオは僕らの核で中心となる要素だし、〈ルックスタジオ〉はハンズオンだから。こういう草の根的な要素を失いたくないから、もしただの印刷スタジオだと思われても、それはそれで嬉しいね。

− なるほどね。そういえば、今回の来日は何か理由があったの?

定期的に一緒に仕事をしている人たちと話したり、現状を自分の目で見るのは〈ルックスタジオ〉を成長させていく上ですごく重要だと思ってるんだ。日本のマーケットは特にね。何事もそうだけど、自分で直接っていうのが僕のやり方で、本当に文字通り、何でも自分でやってきたよ。だからいまはより大きなチームで動くこととか、協力してくれる人に頼ることも学びながら進化しようとしているところ。それで、そういう場面にちゃんと立ち会うことに意味があると思ってる。刺激ももらえるしね。いつもニューヨークにいるから、日本に来るたび違う視点が持てて、それがインスピレーション源にもなってるよ。時には自分を拠点から引き剥がして、外で仕事をすることも大切だよね。

− すごくわかるよ。日本での一番の楽しみは?

いい質問だね(笑)。やっぱりご飯はそうだよね。こっちのレストランに行くのは大好きだし。あとは買い物。日本には良いブランドや新しいブランドをやってる人たちが大勢いて、そういうものに触れられるけど、ニューヨークで同じような体験をするのは難しいんだ。店舗を見たり、他の人たちがどんな風に店を作っているのか見てみたり。だから、街に出ること自体が楽しみなんだろうね。あとはナイトライフ。ニューヨークの人たちは夜遅くまで遊んでると思ってる人も多いかもしれないけど、いまって実際はそういうことって多くはなくてさ。少なくとも僕の仲間内では、みんなあんまり無茶をしなくなった。

− 東京も前ほど多くはないかもしれないよ。

それでも来るたびに驚かされるようなパーティがあるし、昨日も月曜だったけど朝の4時、5時くらいまで外にいたよ。

− トーキョーステイを楽しんでくれてるなら良かったよ(笑)。いまの〈ルックスタジオ〉にはどんなメンバーがいるの?

僕らの通常業務のプリントショップとデザインってところで言うと、ワイルダー(Wilder Smith)、トウヤ(Toya Horiuchi)、マックス(Max Neuhoff)、ヘンリー(Henry Plesser)の4人が通常のメンバー。彼らがやってくれてることはスタジオの事業そのものだね。あとはもう長い間ブランドの手伝いをしてくれているジョー(Joe Garvey)とポール(Paul Bryant)、マックス(Max Feuer)。それに、たくさんのインターンとか、他にもいろんな人がいて、僕らが作業中に彼らはハングアウトしてる。いつも「仕事中だから、みんなもうちょっと静かにして」みたいな感じだよ(笑)。でも、彼らはアイデアをくれるし、想いを共有してくれて、良い影響を与えてくれる。雇ってるわけでもなければお金を払ってるわけでもないけど、スタジオとブランドは彼らがいるからこそ存在してる。正確な人数はわからないけど、足を運んでくれるたくさんの人たちで構成されてるのが〈ルックスタジオ〉だよ。

− ウータンみたいだね。エネルギーの大きさと全体像の見えない感じが。

(笑)。Fuck Yeah! そしたら僕はRZAだね。

− (笑)。人が出入りするところには活気とアイデアが生まれるよね。

最近はニューヨークで友人ふたりとカフェを始めたんだ。ただコーヒーを買うだけ、ただ行くだけでもこういう場所があれば、みんな自然と話をしたり、これからやるパーティのフライヤーを置いていったりするから。いま話をしてる「ドミサイル東京(DOMICILE TOKYO)」もたくさん若い人たちが働いてて、他のいろんなことにも携わってる。新しいブランドやデザイナーのこととか、どんなパーティに行くのかとか、そういうのを知ることができるハブがあるのは本当に重要なこと。僕らはニューヨークでそれをやってるんだ。

− どこの地域でも同じだね。あと、これは〈ルックスタジオ〉のアパレルについてなんだけど、昔ながらの刷物もあればつくり込みのクオリオティも上がってる気がするけど、今後はどういう形になっていくの?

僕にとってはすぐに制作できるっていうのがプリントショップのいいところで、グラフィックTをつくるのに既成のブランクを使うのがずっと好きだった。いつでも手に入るブランクボディがあることが僕らのクリエイティブプロセスにとっては重要で、自分がカスタムTをつくることは現状は考えられない。仮にやっても完成品は〈ロサンゼルスアパレル(Los Angeles Apparel)〉か〈ベイサイド(BAYSIDE)〉とほとんど同じになると思うし、他で買えるものをつくることになるからあんまり意味を見出せなくて。

− なるほどね。確かにすでに世にあるものをわざわざつくらなくてもいいよね。

ただ、プリント目的じゃないなら上位互換をつくるのは好きだよ。僕らがプリントショップだからと言ってすべてに印刷する必要はないしね。僕が目指しているのはその両方が用意されていて、楽に提供できる状態。僕も歳を重ねて、いつでもプリントTを着たいってわけじゃないし、たまには無地のラグビーウェイトのロンTが着たいときもある。ただシンプルなものが欲しいときにはカットソーもある、っていうことに価値があると思ってるよ。そのアクセシビリティがプリントショップの原点だし、DNAの一部なんだ。僕らがTシャツにタグを縫い付けずプリントしてるのも、僕らは何でもプリントして、それを心底楽しんでるっていうのが理由だよ。

− すごくしっくり来るよ。さっき年齢の話があったけど、アレックスが〈ルックスタジオ〉を立ち上げたときはすごく若かったよね? 当時どういう構想を練って始めたのか、思い出せる範囲で聞かせてくれると嬉しいんだけど。

当時ボルチモアの大学に通って版画を学んでたんだけど、一方でバンドもやっててボルチモアの音楽シーンにいたから、頼まれてショーやパーティのポスターをよくつくってたんだ。それで、何か特定の理由があって制作するっていう形で、カルチャーシーンと結びついて関われると気づいたんだよね。だから、それを追求したくなった。しばらくポスターづくりをしてると「Tシャツもつくれないか?」って聞かれることが増えて、人のためにTシャツのプリントをやるようになった。その頃はまだボルチモアに住んでたんだけど、印刷を仕事にしたいと思うようになって卒業後はニューヨークに引っ越した。買った機材を使って作業できるスペースをシェアしてくれる人たちを見つけなきゃいけないって時に、同じように必要としてる人を4人見つけて。そこからどんどん広がっていった。それが答えだね。

− 当時のイメージが浮かぶよ。それで、“LQQK STUDIO“という名前にした理由は?

それは秘密だね(笑)。

− そうなの? 気になるな。

アイデア自体は“QQ”の形が目みたいに見えるのが気に入ったんだ。ヴィジュアル キュー ランゲージというか。昔よく見ていた「ワーク」っていうウェブサイトがあってさ。それは現代アートを紹介するサイトだったんだけど、スペルが“VVORK”っていう風に、Vをふたつくっつけて、Wと読ませてた。ワークって発音するけど、スペルは違う。そんな感じで文字遊びで他のものに見せるっていうのが好きだったし、最高なネーミングだなと思って。“LOOK”って単語も目に入る視覚的な手がかりって意味があって形も目玉に見えるっていうアイデアなんだけど、人に説明するときに「ルックスタジオっていうんだ。だけど、スペルは“LQQK”で!」って言うとお客さんはみんな「どういうこと?」って反応になるでしょ。で、実際に文字を書いて見せると納得してくれる。スタジオ名は単語をビジュアル化させたようなもので、自分の中で繋がったし、自分のやってることってそういうことだよな、って。

INFORMATION

LQQK STUDIO

Official Site

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