CLOSE
FEATURE
Motorcycles, cars and bicycles. Fresh or Vintage Ride? -Part 1: Fresh Rides
NO WHEELS, NO LIFE.

Motorcycles, cars and bicycles. Fresh or Vintage to Ride?
-Part I: Fresh Rides

はじめて自転車に乗って歩くよりも遠くへ行ったこと。はじめてバイクに乗ってどこまでも行けると思ったこと。はじめてクルマに乗ってだれかとどこかへ行ったこと。単なる移動手段ではなく、初期衝動だったり乗りものが与えてくれる感情や経験はプライスレスです。それは最新でフレッシュでも旧いヴィンテージでも、選んだ人だけのスタイルやストーリーがあればいいはず。前編は最新のフレッシュなバイク・クルマ・自転車に乗る3組が登場です。

  • Photo_Teppei Hori(Toshimitsu Komooka、Yuuya Tanaka)、Shingo Goya(Kazuho & Tsukasa)
  • Edit_Yusuke Suzuki, ,Soma Takeda

フレッシュな乗りもののポイント

・メーカーの最新テクノロジーを楽しめる
・新車を手に入れることができる
・充実した保証 & 純正オプション

Style 01:Toshimitsu Komooka with TESLA アメ車のDNAを受け継ぎ常識を覆す、EVの象徴。

PROFILE

薦岡 利光

東京で不動産業、千葉で蘭の栽培をしながら、10年以上所有する1951年製のパンヘッド、1946年製のナックルヘッドという2台のヴィンテージに、WESTCOAST CHOPPERS製のダイナというスペシャルなバイクを3台も所有。他にアメ車も所有し、現在はゴルフにもハマっているそうです。
Instagram: @juicykomooka

最新のクルマ→EV(電気自動車)→〈テスラ〉という流れが頭に浮かぶ方は多いのではないでしょうか? それほど〈テスラ〉が他と一線を画す存在と言える中、薦岡さんが選んだのは『モデルY』。2022年の2月に納車後、二拠点生活である東京と千葉の館山の往復をメインに、アベレージで毎月2,000kmほど乗っています。

これまでに数多くのクルマを乗り継いできた中、新車は1台しか購入したことがなく、EVも初めて。そもそもEVに乗りたかったわけではなく、シンプルにビジュアルが好みで〈テスラ〉が気になり、ショウルームへ行ってその場で即購入を決めました。ちなみに〈テスラ〉といえば購入するのがスマホからというのも、それまでのディーラーで対面で買うという常識を覆しています。

「次に乗るなら〈テスラ〉一択でした。他とは圧倒的に違うビジュアルがかっこいいなと思って。いまは他に(シボレーの)『アストロ』と『ブレイザー』もありますが、楽だし運転していて楽しいから乗るのは〈テスラ〉ばっかりですね…(笑)。購入から日常の操作まで、全部スマホひとつで完結するから便利ですよ。スマホが苦手な人は慣れるまで、ちょっと大変な部分があるかもしれませんけど」

「購入した年のラッキーカラーだった」という理由で、シートとボンネットの一部をホワイトに、そしてホイールを20インチ&タイヤを換装した状態で納車。〈テスラ〉に鍵はなく、スマホを持ってクルマに近づくとロックが解かれ、そのまま乗車しドライブモードに入れれば動き出します。クルマの位置情報や温度調整などもすべてスマホで操作するので、スマホが生活必需品となった現代らしさとリンクするのも〈テスラ〉ならでは。

そんな話を聞いていく中でとても気になったのが、これまでに数多くのクルマを乗り継ぎ、現在もアメ車を2台に〈ハーレー ダヴィッドソン〉も3台所有する薦岡さんならではの視点。

「〈テスラ〉ってリアから見た時のラインだったりシートに座った感じとかから、すごく無骨さを感じるんです。完璧じゃなくてちょっと隙があるイメージで、そういうのはヨーロッパ車にはないアメ車らしいかっこよさですよね」

そう話すように、他メーカーがそれまでのガソリン車でリリースされていたモデルをベースにEV化したものが多い中、〈テスラ〉はアメ車のフィロソフィーを受け継ぎながらフレッシュそのもの。1回フル充電をした場合の巡航距離は、およそ450kmほど。普段よく走るという、東京~千葉間であれば片道100kmなので2往復はでき、なおかつ自宅に急速充電器を設置しているので、EVのひとつの課題である充電問題もクリアしています。

フロントのノーズ下に117L、リアには3分割可倒式で2158Lのラゲッジスペースがあり、薦岡さんはゴルフケースを積むことが多いそう。ステアリングは写真のようにシンプルで、ウインカーを出すと外の様子がモニターに映るので安全性もとても高く、まさに未来を感じずにはいられません。

購入の決め手となったもうひとつの大きな理由が、これまでのクルマでは考えられなかった〈テスラ〉ならではのドッグモードの存在。愛犬を一時的に車内に残して離れる場合、空調をキープしたりモニターに車内に犬がいることを伝えるメッセージが表示され、愛犬家にはこれ以上ない機能が搭載されているのです。

「フラットコーテッドレトリバーのノア(今年の7月28日に6歳になるメス)といつもいっしょにいるので、後ろの席のペットシートカバーもオプションで選んで付けました。本人(※愛犬のノア)は別にわかってないと思いますが(笑)、ドッグモードは至れり尽くせりなサービスですよね。いまは〈テスラ〉以外のクルマに興味はないので、ほかのクルマやバイクにも乗りながら、これからも楽しんでいければいいなと思います」

ドッグモードや純正のオプションであるペットシートカバーは、愛犬家にはうれしすぎる〈テスラ〉ならではのサービス。フロントのモニターに映し出されるメッセージで、車内に残ったワンちゃんも安心です!

Style 02:Kazuho and Tsukasa with Cannondale 気鋭のデザイナーが認める、スポーツ由来の機能美。

PROFILE

Kazuho(左)、Tsukasa(右)
FAF デザイナー

ともに1995年生まれ。大学卒業後、2人組のDJユニット「Fake Ass Flowers」として活動をスタート。パフォーマンス用の衣装を自ら手掛けたことをきっかけに、2018年から同名のファッションブランドを立ち上げる。今年3月には「楽天ファッション・ウィーク東京」にてブランド初となるショー形式のプレゼンテーションを行った。クリエイティブユニット「YOUTHQUAKE」のメンバーとしても活動する。
Instagram:@1_sail, ,@tukasabayard

「東京ファッションアワード 2024」を受賞したことでも記憶に新しいKazuhoさんとTsukasaさん。そんな若手デザイナーたちに、「愛用している自転車を見せてほしい」とリクエストすると、つい最近手に入れたばかりの〈キャノンデール(Cannondale)〉にまたがり登場してくれました。

1971年にアメリカで創業した〈キャノンデール〉は、北米三大スポーツバイクブランドとも称される老舗メーカー。本格的なレースバイクから、街乗りに適したクロスバイクやeバイク、荒れた路面を走破するグラベルバイクにマウンテンバイクなど、さまざまなモデルを展開しています。

では、数ある自転車メーカーの中から、なぜ2人揃って〈キャノンデール〉を?

「『YOUTHQUAKE』のBobbyが、古い〈キャノンデール〉をカスタムして乗っていて。それを見てからずっとクールなブランドというイメージがあって、いつか手に入れたいと思っていたんです」(Tsukasa)

「以前まで〈キャノンデール〉のPRをしていたのが 『YOUTHQUAKE』のKeiで。クラシックなデザインが多い印象だったんですけど、彼から薦めてもらって現行のモデルを見てみると、シェイプを含めて自分好みだったんです。中でも、目に留まったのがこのマウンテンバイクでした」(Kazuho)

そう、決め手となったのは身近な存在である「YOUTHQUAKE」のメンバーたちからの影響でした。

跨ぎやすいフレームデザインや、BMXからインスパイアされた幅広のハンドルなど、乗り心地をよくするためのディテールを詰め込んだ「Treadwell 3」は、一般的なクロスバイクとは一線を画すデザインが特徴。ボリューム感のあるタイヤは道の段差や障害物をもろともせず、機械式のディスクブレーキは悪天候時でも高い制動力を発揮してくれます。専用アプリと連携すれば、スマートフォン上でスピードや走行距離が分かるという現代的な機能が搭載されているのもポイント。

先述したように〈キャノンデール〉のラインナップは多種多様。そこからTsukasaさんが選んだのは、真っ赤なフレームが映えるクロスバイク「Treadwell 3」です。以前に乗っていたのは〈ライナス〉のピストバイク。それがローテクなデザインだったこともあり、「気分を変えたくて」とスポーティでハイテクなこちらに乗り換えたといいます。この「Treadwell 3」が活躍するのは、自宅から渋谷の事務所までの通勤時。

「乗り心地が軽快で、段差などでの衝撃も負担にならない。この自転車があると、40分の通勤がとにかく楽しいものになるんです。デザインに関しては、赤いフレームがお気に入り。最初は派手すぎかなとも思っていたんですけど、乗っているうちにアリになってきました(笑)」

〈キャノンデール〉が展開するマウンテンバイクの中で、エントリーモデルに位置付けられる「Trail 5」。悪路での衝撃を吸収するフロントサスペンションをはじめ、油圧式ディスクブレーキや幅広のタイヤなど、その名の通り、トレイルを意識した1台。そして、武骨なルックスでありながら、軽量のアルミフレームを採用していることもあり、都会の舗装道路でも快適な乗り心地を実現してくれます。

一方、バイク好きでもあるKazuhoさんは、高校卒業後に上京して以来、〈カワサキ〉のオフロード「KLX」一筋だったそうですが、より手軽な移動手段として〈キャノンデール〉をチョイス。「アクティブで骨太な二輪が好み」とのことで、その理想像にかなったのがマウンテンバイクの「Trail 5」。

気になる乗り心地については、「フロントサスペンションや太いタイヤだったり、マウンテンバイクらしいディテールはありつつも、実は車両自体すごく軽くて。街でも快適に乗れる、十分すぎるほどのスペックです」とのこと。ちなみに、1日でいくつかのスポットを回るときはバイク、自宅から事務所を移動するだけのときは自転車、とシチュエーションによって乗り分けているようです。

個性が違う2台ですが、共通するのは高い機能性と、スポーツとストリートを掛け合わせたようなデザイン。そんな〈キャノンデール〉は、乗りはじめて1ヶ月足らずで目の肥えた彼らの心を掴んだ様子です。

Style 03:Yuuya Tanaka with VESPA 新旧2台のヴェスパから感じる、進化と伝統。

PROFILE

田中 優也

自身のブランド〈キャバレー ポヴァール(CABARET POVAL)〉に、友人との〈ハーバーストア™(HuberStore™)〉を手がけながら、地元の長野県伊那市で「ウィモウェ ウィークエンドストア(WIMOWEH weekendstore)」を運営。スケーターであり生粋のフットボール(プレミアリーグ)フリークです。
Instagram: @puzzlin_evidence

〈ヴェスパ〉の『PX200 FL2』に長年乗っている田中さんから、「新しい〈ヴェスパ〉買ったんですよ」と聞いたのは展示会かどこかで会ったとき。新旧の〈ヴェスパ〉を2台所有するなんてある意味贅沢ですが、なぜ新しいモデルも購入したのかはすごく気になるところです。

「これは『プリマヴェーラ125』というモデルで、2023年の10月に新車で買いました。旧い〈ヴェスパ〉の自賠責(保険)をバイク屋さんへ取りに行ったときに、“寒くなりはじめたから風防と、荷物が積めるようにボックス付きのいいやつないですかね?”と話したら、“ちょうどいいのあるよ”と言われたのがこれです(笑)。買う前は国産車も候補で考えましたけど、やっぱり〈ヴェスパ〉がいいなと思いましたね」

ほぼノーマルの状態に、風防は大きめのタイプをセレクトし、フロントにはサッカーのイングランド代表のステッカーを。「夢だった」というスマホホルダーのおかげで、どこへ行くにもナビを見ながら快適そのもの。シートは形状+ステッチでホールド性が抜群で、リアのボックスには背もたれまで装備されています。

『プリマヴェーラ』というモデルは1968年に初代が登場して以来、〈ヴェスパ〉のスモールボディレンジを象徴する存在となっているシリーズ。モデルチェンジを繰り返しながら、田中さんが所有する『プリマヴェーラ125』は、ABSを標準装備し、LEDヘッドライトが採用されています。ちなみに『PX』はラージボディで、同じ〈ヴェスパ〉と言っても年代はもちろん、スタイルなども異なるモデルです。

『プリマヴェーラ125』と運命的な出会いの末、納車してから半年ほど。25年以上前の『PX200 FL2』と最新の『プリマヴェーラ125』を比べると、エンジンが2ストロークから4ストロークへ、メーターもアナログからデジタルに変更など、さまざまな点で進化を感じるのは当然でした。

「『PX200 FL2』はマニュアルなんですけど、『プリマヴェーラ125』はオートマで楽だし、スピードもけっこう速いですね。リアブレーキが足から手に変わったのは最初慣れなかったけど。(ガソリンが)混合じゃなくて燃費もいいし、都内だったらクルマより(渋滞も関係なく移動が)早いし便利です。風防があると雨が降ったときはもちろん、冬の寒さが全然違って、これがなかったらこの前の冬は越せなかったかも知れませんし、ほぼクルマみたいな感じですよ」

ヘルメットは今はなき原宿の名店「バンカースタッド」のものをセレクト。グローブはUKラバーな田中さんらしく、10年ほど前に購入した〈デンツ(DENTS)〉を愛用。ちなみに日焼け対策として夏でも長袖を着るのがマナーとのこと。新車ならではでもある、日本語と英語のマニュアルも常備しています。

ちなみにスケーターでヴェスパと言えば、マット・ヘンズリーとリック・ハワードが頭に思い浮かび、今は旧いモデルの市場価値はどんどん上がるばかり。多くの人は新車を購入したら旧いモデルを手放したり、そうでなくても駐車スペースや金銭的な面で、2台所有することは現実問題として簡単ではありません。

「自分は駐車スペースを確保できているので、どちらかを手放す予定はありませんね。当たり前ですけど、旧いものには旧いものの、新しいものには新しいものの良さがそれぞれあって。『プリマヴェーラ125』に乗ったことで、最近は『GTS300』っていう他の新しいモデルも気になったり、久しぶりに『PX200 FL2』に乗るとまた違った面白さがあるので、2台とも大事に乗っていきたいですね」

Add this entry to Hatena Bookmarks

Related Articles#MONTHLY JOURNAL

See more