前回はブラックナイロンをフィーチャーしたが、「サフィアーノ」レザーもPRADAのアイコンといっていいマテリアルだ。
繊細なエンボシング加工を施した「サフィアーノ」レザーはキズや汚れに強いだけでなく、パターンや色使いに囚われることなく──つまりそれだけで成立する存在感がある。
これをパイピングなどの要所に配したバックパックは、ナイロンのボディにすでに十分なメリハリを生んでいる。しかしそれで終わらせないのが〈プラダ〉の真骨頂である。
ありそうでなかったかぶせとボディのコントラストカラー、「サフィアーノ」レザーとともに脇を固めるメタルパーツ、そしてボディに対して明らかに大きなアウトポケット。一つひとつが見出しになりそうなスペックを投入しつつ、仕上がってみればなぜかバランスがいいから恐れ入る。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa