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連載【で、NEW VINTAGEってなんなのさ?】Vol.40 “ツラで選び、ストリートのノリで自由に”。なんとなくイヴ・サンローランのスカーフ。

What is the New Vintage anyway?

In the 1990s, the term "vintage" was used to describe vintage clothing that did not meet the definition of "antique," but still had value, as opposed to "antique" clothing that was 100 years old. Nowadays, there is a movement to find new value in "new vintage," even in old clothes from the 1980s onward, which used to be called "regular" vintage clothes. In this project, four vintage clothing stores with different styles propose new ways to enjoy vintage clothing. Each of them will talk about the charm of vintage clothing with their own sense of style.

さて連載開始から5シーズン目に突入し、参加ショップも入れ替わってリスタートした本連載。本シーズンのラストを飾る、第40回目は「伊藤商店」の伊藤忠宏さん!

Text_Tommy
Edit_Yosuke Ishii


伊藤忠宏 / 伊藤商店 店主
Vol.40_イヴ・サンローランのスカーフ

―早速ですが、今回のニュー・ヴィンテージのアイテムをご紹介お願いします!

スカーフってあるじゃないですか? あのマダムが首に巻いたりする。今回のテーマはそれにしようかなと。以前、「T」という屋号で古着屋をやっていた頃から個人的に推していたアイテムで、ぼく自身も愛用していましたし、お店でも取り扱っていました。それが最近また気になっていて。

―当時はどんな感じで取り入れていたんですか?

例えば、半袖シャツ×ショーツって子供っぽくなっちゃうじゃないですか。そこで、スカーフを取り入れてみる。すると“少し大人っぽい気分”になれるっていう(笑)。当時は〈シャネル(CHANNEL)〉や〈グッチ(GUCCI)〉のブートが古着では人気でしたね。しかもチェーン柄とかギラギラしたちょっと成金っぽいデザインのやつが。ストリートでは、それらを〈フェノメノン(PHENOMENO)〉や〈スワッガー(SWAGGER)〉のウェアに合わせて、オオスミさんのノリで着こなすヘッズをよく見かけました。

―それで言うと、今回持ってきてもらったモノはちょっと毛色が異なりますね。

“あの頃のまんま”では面白くないし、ぼくも大人になったので雰囲気を変えて〈イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)〉で集めてみました。これなんかも「シーシーエックス(CCX)」の(鈴木)克哉が以前、紹介していた〈ユナイテッド カラーズ オブ ベネトン(UNITED COLORS OF BENETTON)〉と同じく、オフィシャル品とライセンス品が存在しています。ただ、生産タグがマルジェラ並に甘く付けられているので、古着市場で見つかるモノは大体取れていて、どっちなのか判別不能がことも多々あります(苦笑)。で、これはフランスメイドのオフィシャル品で素材はシルク100%。多分80年代〜90年代の商品なんですが、柄も色使いもすごくオシャレですよね。

イヴ・サンローランのスカーフ ¥4,000(伊藤商店)

―ですね。オフィシャルとライセンス品との大きな違いってあるんですか?

基本的に素材もシルクで同じですし、クオリティに大きな違いはありません。ただ、ぼくの経験則ですが、ちょっとコレは……というギリギリ……じゃなくて絶妙なデザインが多いというのはあります。なんとなく“お土産モノ感”というか。ちなみにこっちは例の如くタグこそ紛失していますが、恐らくライセンス品でしょうね。

イヴ・サンローランのスカーフ ¥4,000(伊藤商店)

―シンプルっちゃシンプルですね。

でも悪くはないですよね? ナシかと問われたら、ぼくの場合は大いにアリ! こっちもライセンス品ですが、長方形のマフラー型というのがユニークだし、このギリギリ感が逆にほっとけない。正直、オフィシャル品だろうがライセンス品だろうが「もうノリでイイっしょ!?」みたいな(笑)。

イヴ・サンローランのスカーフ ¥4,000(伊藤商店)

― そのノリを言語化するならば?

“ツラ”ですね。もうそれに尽きるなと。あと、なぜ〈イヴ・サンローラン〉なのかという理由ですが、ちゃんとセレクトして扱っている古着屋さんって、意外にないんですよ。最初に名前を挙げた〈シャネル〉や〈グッチ〉なんかはアーカイブとして値段をつけているお店もあるんですけどね。どうも、オシャレなモノとして認識されてないんじゃないかなと。だからこそイイんですよ。まだ価値が付いていないから安く売ることもできますし。この値段なら「ちょっと使ってみよう」ってなるじゃないですか。

―“じゃない”面白さってやつですね。ちなみに伊藤さん的にはどう取り入れるのがオススメですか?

これでシャツの襟元に挿し込んじゃうと結婚式の二次会になっちゃうので(笑)、そこはストリートのノリで自由に。夏場なら無地Tシャツにたすき掛けもイイですし、首からラフに下げるのもアリ。デニムのベルトループに結んだり、トートバッグの持ち手に巻くのも面白いですよ。春・秋ならフーディーと合わせるのもオススメ。とりあえず気取らず適当にサラっと。

アパレルの先輩が昔やっていた感じが、格好良かったんですよね。無地の白Tシャツに〈ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)〉のスイムショーツで、足元は〈ナイキ(NIKE)〉のエア・マックス。さらにロングビルキャップを合わせて〈ルイ ヴィトン(Louis Vuitton)〉のスカーフを巻いたりしていて。それがすごく印象に残っているので、今またそのノリで取り入れてみたら楽しいんじゃないかなって。

伊藤忠宏 / 伊藤商店 店主
2008年に古着屋「T」を高円寺にオープン。ストリートに根ざしたセレクトが話題を呼ぶ。その後、渋谷に移転し、ミュージシャンやファッション業界人などにもファンを拡大。現在は古着や、自身が手がけるヘッドウェアブランド〈ギーク(geek)〉などをセレクトした、遊び半分のウェブショップ「伊藤商店」を運営。さらに不定期でポップアップストアも開催している。
Official site:ito-store.stores.jp
Instagram:@mr_t_ito

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