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So, What is NEW VINTAGE? Vol.85 More extreme than Y2K. We call it "active cut and sewn.

In the 1990s, the term "vintage" was used to describe vintage clothing that did not meet the definition of "antique," but still had value, as opposed to "antique" clothing that was 100 years old. Nowadays, there is a movement to find new value in "new vintage," even in old clothes from the 1980s onward, which used to be called "regular" vintage clothes. In this project, four vintage clothing stores with different styles propose new ways to enjoy vintage clothing. Each of them will talk about the charm of vintage clothing with their own sense of style.

新たにショップがすべて入れ替わり、この連載も遂に11シーズン目に! 折り返しの第85回目は、桜上水の「モーニンストア(MOANINʼSTORE)」の原田大さんの2巡目。どんなニュー・ヴィンテージを紹介してくれるのでしょうか!?

Text_Tommy
Edit_Yosuke Ishii


原田大 / MOANINʼSTORE ディレクター
Vol.85_POINT ZERO & xg & Bluenotesのリブカットソー

―今回はカットソーのようですが、ボディの素材がひと味違います。一般的にこういったアイテムって、何と呼ぶんですかね?

いわゆるリブ編みのニット素材で作られたカットソーなので、リブカットソーでしょうね。個人的に注目していて、見つけるたびに少しずつストックしていたのが溜まったので、そろそろ出そうかなって。日中は暖かくなってきてはいるものの、日が落ちるとやや肌寒い。そんないまの時期にジャストなアイテムがこちら。

―やはり“ボディがリブ編み”という点がポイントですかね?

ですね。それによって伸縮性が生まれ、着用した際にコットン素材のロンTよりもフィットした着心地が味わえるし、裾リブなし&袖リブ短めということで、肩ヒジ張らずリラックスした着方も可能。

―いくつかご用意いただきましたが、まず1着目は?

ブランドは〈ポイントゼロ(POINT ZERO)〉。ネットで検索するとカナダ発の同名ブランドが見つかるんですが、そちらは公式サイトによると1979年創業。一方こっちはタグに“since 1983”と記されているため、同一のブランドかは不明。ただし、アウトドアをフィールドとしたファッションブランドという点は一緒なので、多分同じなんじゃないかって。

POINT ZEROのリブカットソー ¥7,700(モーニンストア)

―なんとなくスノーボードやサーフィンなど横ノリな感じがありますね。

サーフブランドだと、“OP”こと〈Ocean Pacific(オーシャンパシフィック)〉も同時期に同じようなアイテムを作っていました。左胸のラバータグからも察することが出来るように、時代的には90年代後半~00年代前半。当時の言葉でいうところのエクストリーム系ってやつですね。そして2着目は〈xg〉。これに関してはまったく情報がないので分かりません(笑)。ただ、タグに“extreme quality”と記されているので、やっぱりソッチ方面なんじゃないかなと。デザインもまた00’s初頭のエクストリームなノリ満点ですしね。

xgのリブカットソー ¥7,700(モーニンストア)

―3着目は〈bluenotes(ブルーノーツ)〉とタグに記されていますが、こちらも詳細不明でしょうか?

ここはブランドが現存していて公式サイトもありますよ。カナダで創業し、同地では120店舗以上のショップがあるようだけど、日本国内ではまったくの無名。現行ラインアップはかなりシンプルで、もはや別物。まぁ正直、そこまで情報をディグってないし、むしろディグる必要がないかなとも思っていたりも。あくまでツラや雰囲気が重要なので、ディテールと色さえ良ければピックしちゃっています。

Bluenotesのリブカットソー ¥7,700(モーニンストア)

―それでは参考までに、“こういったディテールなら買い”というポイントを教えてください。

やはり切り替えじゃないスかね。袖のラインやパイピングのコンビネーションとか。しかも配色も絶妙。中でも〈ポイントゼロ〉は結構作り込まれたモノが見つかるんですよ。たとえば、Tシャツにメッシュ素材を挟み込んでパイピングにしているやつとか。文字ヅラだけでは何を言っているのか分からないと思いますが、要はあえてのムダなことをやっているっていう(笑)。

それが〈ブルーノーツ〉の場合、さらに生地の使い方もユニーク。リブを縦ではなく横向きに使っていたりで。タイトに着る前提なら、リブを横向きにすることで伸縮性を活かして着用時の可動域を広げる。みたいな意図も考えられるけど、実際見つかるのは大体サイズがデカイ! こうなるともう、意味がわかんないっスよね(苦笑)。

この辺のアイテムって、アメリカやカナダのような湿気の少ない気候だからこそ生まれたものだと思うし、先ほどの話にもあったように90年代後半~00年代前半のエクストリーム系がトレンドだった時代ならではのデザインが魅力。そういう意味でも古着で探す意味があるアイテムと言えるんじゃないスかね。

―では、そんな90’s〜00’s エクストリーム系のリブカットソーに、カテゴリー名を付けるなら?

う〜ん……当時は、こういったカットソーにぶっといカーゴパンツと、ちょいゴツめのスケートシューズを合わせたルックを海外の雑誌やカタログでよく見かけたけれど、どうだろう? エクストリームと呼ぶにはいささか言い過ぎな感もあるし……。アクション……いや、アクティブカットソーってことで、どうでスかね?

―イイですね。日本国内では、見た瞬間にピンとくる人がいなそうなブランドばかりという点も、良き塩梅です。

言い換えると、ブランドを意識する必要がないってことですよね。もちろん、それはアイテムによりけりなので全てに当てはまるワケではないけれど、こちらのアイテムに関してはソレで問題なし。最近ではスラックス&レザーシューズの上品なスタイルも人気で、そこにアクティブな雰囲気のトップスを合わせて遊んでも面白そう。海外のスケートブランドでもこの辺をサンプリングしたようなアイテムを作っていたし、感覚的にもハマるはず。一方の大人世代には、プリント入りのロンTは子供っぽいし、かといってニットの気分ではない。そんな時の変化球として取り入れるのにオススメ! とりあえず“素材、色、切り替え”の三拍子が揃っていて、見た瞬間にピンときたら買い! ってことで。

原田大 / MOANINʼSTORE ディレクター
原宿の某インポートショップで長年メインバイヤーを務めつつ、同系列のスケートショップでオリジナルアイテムのデザインなどを手掛けたのち、2023年4月に自身が手掛けるユーズド&セレクトショップ「MOANINʼSTORE」を桜上水にオープン。移動の足はもっぱら自転車で、絵や写真も嗜む。
Official site:moanin.theshop.jp
Instagram:@moaninstore

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