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Translated By DeepL

So, What is NEW VINTAGE? Vol.90 A sense of silliness that is truly "nothing to be afraid of. Next time, it's your turn, no fear!

In the 1990s, the term "vintage" was used to describe vintage clothing that did not meet the definition of "antique," but still had value, as opposed to "antique" clothing that was 100 years old. Nowadays, there is a movement to find new value in "new vintage," even in old clothes from the 1980s onward, which used to be called "regular" vintage clothes. In this project, four vintage clothing stores with different styles propose new ways to enjoy vintage clothing. Each of them will talk about the charm of vintage clothing with their own sense of style.

新たにショップが全て入れ替わり、この連載も12シーズン目に! 第90回目は、モデルや業界人も通う明大前の注目店「セッション(7ession)」の井石 毅さん&佐野敦哉さん。どんなニュー・ヴィンテージを紹介してくれるのでしょうか!?

Text_Tommy
Edit_Yosuke Ishii


井石 毅&佐野敦哉 / 7ession バイヤー、ディレクター
Vol.90_BAD BOY & NO FEARの Tシャツ

―まず、お聞きします。おふたりにとってニュー・ヴィンテージとは?

ぼくらと同世代や、それよりも若い世代の間では、10歳以上年上の先輩たちがリアルに着ていたアイテムを“すごく新鮮でおもしろいモノ”として捉えているというのがまず前提にあります。またその時代って、ファッションの変遷もいわゆる10年周期ではなくなり、ちょっと世代がズレるだけで全然違ったモノを着ていたりするんですよね。そういった中でも“掘り甲斐もあり、おもしろい”と感じるのが1990年代から2000年中盤までのアイテムです。

―その“おもしろい”と感じる部分を言語化するとしたら?

この辺りの時代って、それまでは技術的にも商業的にも量産するのが難しかったアイテムが沢山リリースされるようになったり、新たなジャンルが誕生したりと、それまで過去の流行のリバイバルが繰り替えされてきたファッションの歴史の大きな転換期にあったと思っていて、そこにおもしろさをぼくらは感じています。それまでのトゥルー・ヴィンテージは需要と共有のバランスから、個体数が少ない=レアというひとつの価値基準が成り立っていましたが、そういったくびきから離れて、“いまだからこそ評価されるべきこだわりを感じさせるアイテム”。そういったモノが今後、ニュー・ヴィンテージとして残っていくのかなと思っています。

ー90年代以降は、デニム=ワークとかマウンパ=アウトドアといった用途ありきではなく、あくまで“ファッション”というフィルターを通したブランドが増えていくので、それに合わせた新たな価値基準があって然るべきかと。そこで、今回紹介していただくニュー・ヴィンテージなアイテムとは?

〈ノー・フィアー(NO FEAR)〉なんかがまさにそれに該当すると思います。1980年代に一世風靡した〈ライフズ・ア・ビーチ(LIFE’S A BEACH)〉というサーフブランドがありまして、そこから派生して1982年に誕生したのが〈バッド・ボーイ(BAD BOY)〉で、1990年代に派生したのが〈ノー・フィアー〉。前者に関してはいまもブランドが継続していて、日本の公式サイトもあります。

ー〈バッド・ボーイ〉って現役だったたんですね。〈ライフズ・ア・ビーチ〉の方は〈パレス(PALACE)〉クルーによって2017年に復活し、ストリートでも話題になりました。

ですね。〈バッド・ボーイ〉は90年代に日本でもファッション誌に広告が載っていたので認識している人も多いのですが、一方の〈ノー・フィアー〉に関しては「そんなブランドもそういえばあったよね」くらいの人が多いのが実情のようで。ブランドの特徴としては、ともにエクストリームスポーツ全般をサポートしつつ、前者がスケートボード、後者がサーフィン・モトクロス・格闘技に力を入れていたイメージがあります。ちなみに、先に述べたように日本における人気は〈バッド・ボーイ〉の方が圧倒的にありました。

ーたしかに。SPEEDのメンバーや格闘家を広告に起用していたので強く印象に残っている一方、量販店やスーパーでライセンス品が安売りされていたというネガティブなイメージも……。

なので、当時はまだ子どもでよく知らないぼくらでさえ、その頃のアイテムを着ようとはなりづらいのですが(苦笑)、やっぱり初期のアイテムは格好いいモノが多くあるので、今回は〈ノー・フィアー〉をフィーチャーしつつ、兄弟ブランド的存在の〈バッド・ボーイ〉についても触れたいと思います。まずは〈バッド・ボーイ〉から。

BAD BOYのTシャツ ¥15,800(7ession)

ー出ました、この角刈りキャラの太眉&目! インパクトありますよね。

ぼくらは超好きなんですが、なんというか〈ライフズ・ア・ビーチ〉に流れていたバッドボーイ・アティテュードを受け継いでいるからか、総じてどのアイテムもバカっぽい(笑)。ボディは〈アンビル(Anvil)〉で初期のタイプになります。〈バッド・ボーイ〉も初期のモノはそれなりに値段が付いていたりします。で、この後に誕生した〈ノー・フィアー〉になると……。

NO FEARのTシャツ ¥8,800(7ession)

ーあれ? 意外とシンプルですね。

これは1990年代のモノでしょうね。たしかにシンプルではありますが、圧倒的にツラが良くないですか? なによりもロゴデザインが秀逸で。“ARE YOU AFRAID TO DIE? OR JUST AFRAID TO LIVE.(死ぬのが怖い? それとも、生きるのが怖いだけか)”という背面のフレーズと、“NO FEAR(怖いものなし)”のロゴを並べることでブランドの信念を体現しています。正直、ぼくら的にはこのくらいが格好いいと思うのですが、もう少し新しい時代のデザインもこれはこれで……。

NO FEARのTシャツ ¥12,100(7ession)

ーうわぁ〜これは一気にバカっぽいですね(褒め言葉)。

このラメ・ドラゴン・謎のトライバル風模様という組み合わせがまた、アメリカ西海岸特有のバカさを演出していて最高ですよね。この際どさこそが、リアルなY2Kだと思うんです(笑)。時代的に〈ステューシー(STUSSY)〉など多くのブランドがドラゴンモチーフを出した、そのちょっと後にリリースされたものかと。肝心のタグが切られているので恐らくですが、90年代後半から2000年代前半のモノだと思われます。

ー両極端な2枚を見せていただきましたが、〈ノー・フィアー〉にも〈バッド・ボーイ〉のように定番デザインってあるんでしょうか?

ちょうど手元に無くて紹介できませんでしたが、代表的デザインを挙げるとすれば、“睨みつける目”。これは〈バッド・ボーイ〉のロゴデザインにも通ずるモノがあり、両者が同じ系譜になることを物語っていて、その目がフロントパネルにあしらわれたキャップやビーニーは格好いいし、名作と呼べるのではないでしょうか。

ーTシャツやヘッドウェア以外のアイテムだと、どんなモノが?

割と何でも作っていたようで、ロゴをプリントしたブルゾンなんかもあります。それでいうとシンプルなデザインの方が名作と呼ばれやすいというのはあるかもしれません。もう極端な話、黒ボディで背面に“No Fear”とロゴがデザインされている位が理想。まぁ、仮に名作とされているとしても、それは“ごくごく一部の人たちの間”なので、今後は分かりませんが、基本的に高騰しているわけではないというのはお忘れなく(笑)。実際、ウチでもごくごく普通のプライスですし。

ー“今後は”という意味では期待も持てると?

先に紹介したような00年代が強いモノに関しては、そういうノリが好きなお店さんがいつかをピックアップしだすのかなとは思っています。

ー「セッション」としては、〈ノー・フィアー〉を今どう取り入れるのがオススメでしょうか?

Y2Kやスケート&サーフに振り切ってもイイと思いますが、例えば膝下丈ショーツや太めのデニム、カーゴパンツ……ではなく、スラックスなどちょっとキレイめな感じで合わせてバランスを取るとイイんじゃないでしょうか。セオリー通りに合わせると、ただ当時のコスプレをしている人になってしまうので、その辺を意識して取り入れてもらえると良いと思います。

井石 毅&佐野敦哉 / 7ession バイヤー、ディレクター
バイヤーの井石 毅さんとディレクターの佐野敦哉さんにより2019年に立ち上げられ、2022年に明大前に移転し、「セッション(7ession)」としてオープン。そのセレクトは定番から個性派まで幅広く、中でも1990年代のブランドアーカイブから2000年代のアウトドア・スポーツウェアを中心に、2人のアンテナに引っかかったアイテムが多数。1万円札を握りしめて訪れれば、なにかしらの収穫があるはず。
Official site:7ession.base.shop
Instagram:@7ession

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