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ドクターマーチンの代名詞1460。  8ホールブーツが歩んだ60年とカルチャー。
DR.MARTENS 60YEARS ONLINE FESTIVAL

ドクターマーチンの代名詞1460。
8ホールブーツが歩んだ60年とカルチャー。

1960年4月1日、イギリスで一足の靴が生まれました。それは「1460 8ホールブーツ」という名のもとに、〈ドクターマーチン(Dr.Martens)〉、さらにはロンドンのストリートファッションを形づくるものにまで成長。社会システムに疑問を持ち、自分のスタンスを貫く若者たちに定着しました。そんな歴史的シューズの誕生60周年を祝うため、先日開催されたのが「DR.MARTENS 60YEARS ONLINE FESTIVAL」です。バンドのライブやDJをはじめ、アートの展示、ライブペインティングなど、多角的なコンテンツを通じて〈ドクターマーチン〉を取り巻くカルチャーや世界観を表現。8ホールブーツが持つアイデンティティを浮かび上がらせました。

音と映像で魅せるDJ&ライブパフォーマンス。

「渋谷WWW」のみならず、この会場でも音楽の配信が行われました。大音量を鳴らすスピーカーと共にDJとして参加したのは、RISA TANIGUCHIさんとMARS89さんでした。

重低音が効いたテクノを流しながらも表情ひとつ変えず、クールにプレイしていたのはRISA TANIGUCHIさん。モノトーンな景色を描きつつも、音をきちんとコントールしながら抑揚のあるMIXで華麗さと力強さが入り混じったプレイを見せてくれました。

「普段は踊っているお客さんを見ながら選曲するんですけど、今回は配信だったので、自分のSNSなどで告知して、それを見てくれた人たちのことを考えながらプレイしました。〈ドクターマーチン〉は昔から好きで、前にロンドンへ行った時、東京でわざわざブーツを買って履いて行ったことがあります。いまとはスタイルが違いますけど、当時はUKのベースミュージックが好きで、〈ドクターマーチン〉を履いてローカルなクラブにも行きました」

ベースミュージックを軸にさまざまなジャンルを横断する選曲で、いろんな景色を見せてくれたのはMARS89さんでした。冷静で落ち着いた姿とは裏腹に、確実に熱い温度を感じるプレイで現場はもちろん、画面越しに見ている人たちを沸かせたのはいうまでもありません。

「パンクカルチャーが好きで、その人たちが履いているイメージが〈ドクターマーチン〉にはあります。ファッションもそうしたパンクスやカジュアルズのスタイルを参考にしているので、はじめて履いたときを思い出せないぐらい身近なブランドです。UKの音楽はすごく影響を受けていて、気づいたらUKの曲ばっかり聴いていました。DJをするときに意識しているのは、体をどう動かすかというところです。リズムや音質とかで反応が変わってくるので、それを動かしながらどういうエネルギーが生まれるか、ということを考えながらDJしています」

今回出演したふたりのDJや、イベントの締めくくりに演奏を行ったバンドの背景で、エッジの効いたデジタルアートを音に合わせて映し出していたのが、映像クリエーターのMASATO NAGATAさん。「音と映像がリンクしたときの破壊力ってやっぱりすごいので、それを表現できるように意識してますね」と語る彼も今回のイベントを盛り上げた立役者のひとりです。

「ブランドのアーカイブにあった古い写真を加工して今回のデジタルアートをつくりました。〈ドクターマーチン〉は、イギリスの階級社会の中でユースたちに支持されながら常に反逆の象徴だったと思うんです。60年という歴史の重さと、そうした反逆の精神を上手に美しく融合できるように意識しました」

イベントの最終日、最後の出演者としてライブ配信を行ったのは、黒い衣装に身を包んだ3人組ユニット、BLACK BOBOI。「ライブの衣装としていつも〈ドクターマーチン〉を履いている」と話す彼女たち。シンセサイザーの幽玄な音色が漂い、その中でギターや打ち込みのリズム、スチールパンの軽やかな音、民族的なボーカルのメロディが響きあい、BLACK BOBOIにしか出せない音を構築していました。

「私はBLACK BOBOIをはじめてから、他のメンバーふたりが履いていたので〈ドクターマーチン〉を履きはじめました。それ以来、他の靴よりも〈ドクターマーチン〉を選ぶ傾向が強くなってしまって(笑)、いまでは毎日のように履いています」(エルムホイ)

「“黒” という色をテーマにしてバンドの衣装を選ぶときに、女性も男性も関係なくジェンダーレスなイメージにしたかったんです。それに合うのが〈ドクターマーチン〉かなと思って。いろんな服との相性もいいんですよ。私自身も履いていたし、うてなも履いてたし、じゃあ、みんなで揃えようっていうことでライブの衣装として選ぶようになりました」(ジュリア・ショートリード)

「今日のライブは黄色いイメージが頭の中にずっとありました。背景の映像も黄色かったし、会場の中にあるオブジェも黄色のネオンだったから、その影響ですね。〈ドクターマーチン〉もステッチが黄色いし、だからイメージとバッチリ合ったかなと思います」(小林うてな)

2つの会場で色とりどりのコンテンツが用意された今回のイベント。社会的な情勢を鑑みながらも、可能性を捨てずにやれることを本気でやり通した〈ドクターマーチン〉は、まさに反逆という言葉が相応しいブランドだと思います。

そして、メジャーもアンダーグラウンドも関係なく、多種多様なカルチャーがこうして一堂に介すことができたのは、ひとえに〈ドクターマーチン〉が社会の中で多くの人たちの足元を支え、彼らに愛されてきたからに他なりません。縁の下の力持ちというと少しイージーかもしれませんが、これからも「1460 8ホールブーツ」はファッションアイコンであり、反逆のシンボルであり続けることでしょう。

INFORMATION

ドクターマーチン・エアウエア ジャパン

オフィシャルサイト
YouTube: DrMartensOfficial
※イベントのダイジェスト版を〈ドクターマーチン〉のYouTubeチャンネルで公開中

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