FEATURE
心身を整える、「動」と「静」のメンテナンス 〜前編〜
MONTHLY JOURNAL Jan. 2024 vol.1

心身を整える、「動」と「静」のメンテナンス 〜前編〜

今年こそは健康に! と意気込むものの、なかなか行動に移せないのが毎年1月のあるある。ですが、2024年はこの“今年こそ”を実現してみませんか? 仕事に精を出すのも、プライベートを充実させるのも、秘訣は日々のワークアウトとコンディショニングにあり。というわけで、それらを実践する8名にインタビュー! 体を動かして汗を流す「動」、体に負荷をかけず心をリセットさせる「静」、2つの視点から心身のメンテナンス術を紹介します。前編では、「動」をルーティンに取り入れる3名のワークアウトに同行しました。

WORKOUT 03. Basketball 公園バスケが心の支えに。

PROFILE

海老原 奨(AB)

幼少期より公園でバスケットボール活動を続け、アメリカを中心に世界中の公園コートで行われる大会に参加。2021年に一般社団法人「go parkey」を設立し、地域のキッズ・自治体・民間企業がアートとスポーツを通じて一体となり、街の新たな空間を創り上げるプロジェクト「リノベーション・アンド・アートコート」を展開。ちなみに、parkey(パーキー)とは、公園にずっといるほどバスケを愛する人々を表す造語。
Instagram @ab_tokyo

ー バスケットボールを始めたきっかけは?

10歳の頃からなので丸30年になりますね。小学校の校庭にバスケットゴールがあって、そこで友だちと一緒に始めました。チームに入っていたわけではなくて、駆けっこや鬼ごっこの延長ぐらいの感覚で、朝と放課後にみんなで集まってバスケをしていましたね。

ー ルーツがストリートにあったんですね。プレイヤーとしては、その後どういう道を進むんですか?

高校を卒業してからはアメリカのカリフォルニアへ。ジュニアカレッジっていう二年制の大学でトライアウトを受けて大学チームに入団して、そこで初めて、レベルの高い環境でプレーしました。卒業後は日本に帰って来て、「SOMECITY」っていうストリートバスケットボールのリーグでプレーしたり、3 x 3バスケットボールの代表候補に選ばれたことも。そんななかでも、ずっと公園でバスケをしていたんですね。海外では公園ごとの大会も多く、オフシーズンのNBA選手が出場することもありました。そういうストリートの大会に出るために旅をしていた時期もあります。

ー 今日も公園のコートで出会った若者と一緒にプレーしていましたね。

彼は20歳の台湾人で、旅行で日本に来ているそうです。彼の方から話しかけてくれたんですよ。若いのに勇気がありますよね(笑)。でも、公園でバスケをしているとこういう出会いは結構あるんですよ。

ー 公園バスケを続けるなかで、体だけじゃなくメンタル面での変化も感じますか?

バスケをしてるときって、体を動かしてるけど、心は静かというか、すごく無心でプレーできるんですよね。絶対に自分が落ち着ける場所があるっていうのが、メンタルの支えになっています。仕事で疲れているとき、あえて公園にバスケをしに行って、自分の心を整えたり。大事な習慣になっています。

ー 分かります。運動習慣のない人からすると、さらに疲れちゃうんじゃないかって思ってしまいそうですが、むしろ逆なんですよね。

アクティブレストといって、身体を動かすことがリカバリーに繋がるって考え方があるんですよ。例えば仕事に追われていて、その日6時間寝れるとしたら、6時間丸っと寝たいという人もいると思うんですけど、ぼくらは2時間バスケして4時間寝た方がむしろ調子がいいんですよね。睡眠の質も上がるし、起きた時に心もスッキリしていて。心と体は繋がっているので、ボディだけでなくマインドも休めることが重要なんです。そうした効果は、バスケに限らず、スポーツ全般に共通することだと思います。

ー 一般的なバスケと公園バスケとの違いはどんな点に感じますか?

バスケットボールの競技者って、引退した途端に居場所がなくなるみたいな風潮があるんですけど、公園バスケは常に開かれたものだから、いつでも好きなときに気ままにプレーできる。それが公園バスケの魅力だと思います。

ー 海老原さんが設立した「go parkey」についても教えてください。このコートのリノベーションも手がけたんですよね?

自分は公園に育ててもらいました。その公園でバスケに出合えたから友だちができたし、毎日が楽しかった。バスケットボールを通して海外の人たちとも繋がれたし、夢みたいな時間を世界中の公園で過ごしてきました。だから、日本の公園の可能性を広げたい、公園のバスケットコートが整備されていて、もっと美しくあって欲しいという思いで、アーティストの力を借りて、アートデザインをする活動を始めたんです。ここ「大久保公園」はリノベーションプロジェクトの二弾目で、日本橋の「浜町公園」を皮切りに、これまで5箇所のコートのプロジェクトを行いました。

ー 素敵なアートコートが増えていくことで、もっと日本の公園バスケが盛り上がりそうですよね。

こういった身近だけど特別な場所をどんどん増やしていきたいですね。公園バスケは競技ではないので、もっと自由で無限の遊び方があるんです。これからも公園バスケの楽しさを子どもたちに伝えていく活動ができればと思っています。新しいプロジェクトも準備しているのでご期待ください。”LOVE GAME”、”LOVE GAMERS”、「go parkey」の合言葉です。

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事#MONTHLY JOURNAL

もっと見る