ネクサスセブンとコンバースがつくった「ワンスター デッキシューズ」の魅力に迫る！

今野： 最初に「アーバンリサーチ」さんから〈コンバース〉さんとコラボをしたいと、プロジェクトの打診をいただきました。〈コンバース〉さんとはブランドの立ち上げ当初から長い付き合いをさせてもらっていて、〈ネクサスセブン〉が初めてスニーカーブランドとコラボをさせていただいたのも〈コンバース〉さんでした。今回のプロジェクトを進めるにあたり、販売先である「アーバンリサーチ」チームといろんなアイデアを出させてもらい、その中で〈コンバース〉の歴史あるラインナップの中から何をベースにするか議論をしました。

長谷： 長く一緒にやらせていただいていて、お客さまはもちろんのこと、スタッフも毎回楽しみにしているんです。今回の話し合いをさせていただく中で、今野さんの知り合いの方を通じて90年代の〈コンバース〉に「マリンスター」というモデルがあることを知り、ベースに採用して製作をすることになりました。

今野： 〈コンバース〉さんとの話し合いは2020年頃から進めていて、正式に動き出したのは2022年です。コロナ禍で一時中断することもありましたが、「アーバンリサーチ」さんとの協力で、過去のデッキシューズの資料を集めるなどし、どの要素をどんな形で取り入れるか細かく検討しました。特に、素材やデザインの調整は何度も重ねましたね。

今野： 打ち合わせを重ねる中で、せっかくつくらせてもらうなら、〈コンバース〉に造詣の深い栗原くんにも、今回のプロジェクトに参加してもらおうとなったんです。ヴィンテージ〈コンバース〉を熟知しているので、歴史的な背景を踏まえたデザインや素材選びができると考えました。まあ、こうやって言うとかっこいいですが、単に助けを求めただけです（笑）。

栗原： 今野くんのお声がけですから、断るわけがありません（笑）。

今野： そう言っていただけるのは本当にありがたいです（笑）。栗原くんには特に素材やパーツなどについてアドバイスをいただきました。

栗原： いえ、見たことのないものでした。「マリンスター」って90年代に製造された日本企画のモデルなんですよね？

志村： そうなんです。

栗原： 個人的に当時はアメリカ製の〈コンバース〉しか興味がなかったこともあり、日本企画のモデルはチェックしていませんでした。にもかかわらず、90年代に日本企画でつくられたモデルというのは、いま見るとすごく新鮮にうつりますよね。

志村： いえ知りませんでした。お話をいただいてから、カタログなどの資料を漁りましたね。「マリンスター」というモデルは〈コンバース〉の中にもいくつかあって、当時シーズンごとに素材などをモディファイしてリリースをしていたみたいで。デッキシューズをベースにしたモデルは、「マリンスター」以外にもいろんなデザインでつくられていたようです。

栗原： けっこう長いスパンでつくられていたんですよね。

志村： キャンバスアッパーのモデルに関しては定番だったらしく、10年間くらいつくられていたみたいです。先ほども申し上げたように、年代によってデザインが異なるので、ワンスターがついていないモデルもありました。

栗原： その頃は“ヒールスター”なんて言葉もなかったかもしれませんね。