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ギークな座談会。なぜ3人はウエストポーチの虜になったのか?
WHY WAISTBAGS?

ギークな座談会。なぜ3人はウエストポーチの虜になったのか?

機能性が優れていることをだれもが知っているけれど、ファッションのメインストリームにのし上がることのない「ウエストポーチ」。でもなんだか愛おしい。そんなバイプレイヤー的立ち位置のアイテムの魅力を解明すべく、業界屈指のウエストポーチラバーを緊急招集しました。スタイリスト、古着屋、プレス、それぞれの視点で語る好きなポイント、そして私物コレクションの数々。知れば知るほど奥が深くておもしろい。あれ、ちょっとウエストポーチっていいのかも…
※本企画ではウエストバッグ、ヒップバッグなどを総称してウエストポーチと呼称します。

極私的なスタイリングポイント。

ー 皆さんのウエストポーチを身につける際のマイルールみたいなものを教えていただければと思います。

西野:マイルールってほどでもないんですけど、ぼくは今日みたいなツナギのときによくすることがあって、パンツが下がらないようにベルト代わりで使いますね。

松川:わかります。

着用しているのは〈アークテリクス〉の名作アーバンファニー。小ぶりなサイズ感ゆえ、コーディネートのほど良いアクセントに。

西野:それとサンダルをよく履くんですけど、サンダルに合わせるベルトって結構難しくて。今日は〈ルナサンダル〉なんですけど、それにレザーベルトを合わせるのはちょっと重いかなと思ったり。そんなときにウエストポーチを合わせるって感じですね。でもほんとそのぐらいで、スタイリングのいちばん最後に決める、脇役中の脇役ですね。

ー そうなりますよね。続いて、あまりつけないとおっしゃってましたが、秋元さんはどんな感じでつけますか?

秋元さんが着用するのは〈ブラックダイヤモンド〉のウィンゲートⅡ。あえてストラップをぎゅんぎゅんに絞って、一層いなたいムード感に。

秋元:ぼくはアウトドアブランドが推奨するつけ方がしたいですね。ヒップバッグならお尻に、ウエストバッグならウエストにって感じで。

西野:あーそれもいいですね。なるほどなるほど。

ー斜めがけはもってのほかですか?

秋元:いえいえ。昔はウエストポーチをウエストにつけたらダサいから斜めがけにする、というのが流行っていて、でもいまは逆に斜めがけするのがダサいみたいな傾向がある。ぼくは逆の逆をいきたいので、“ファッションとして” 斜めがけにするのもありだなって思いますね。

ー 逆の逆の逆みたいな感じですね(笑)。松川さんはどうですか?

使用頻度が高いという〈パタゴニア〉のヒップボルト。シャツの上から絞ることで、シェイプが生まれ、トップとボトムのメリハリをつけてくれる。

松川:ぼくはTシャツインとかシャツインをあんまりしたくなくて、西野さんと同じようにウエストベルト的な感じでつけますね。

西野:ですよね。ハンティングジャケット的な。

松川:そうそうそう。

ー ちなみに松川さんはお仕事で女性をスタイリングする際にも使いますか?

松川:全然使います。女性でつけてるひとは結構いいなって思うので。それこそ、でっかいTシャツをベルト感覚で絞ったりとかするとラインが出るので、スタイリングのアクセントとして使うのはすごく便利なアイテムだなって思いますね。やっぱりちょっと抜け感も出ますし。

西野:女性がつけてるのいいですよね。この間、〈ロク〉のディレクターの吉田さんがセットアップにウエストポーチをつけていて、すごくかっこよかったんですよね。

松川:そういうスタイルいいですよね。

ー ウエストポーチのアイコンみたいなひともいらっしゃるんですか?

松川:特定の人物はいなくて、近所にいる普通のおじいちゃんがウエストポーチをつけてる感じとか、なんかいいなって思いますね。

西野:ほんとそうですよね。ぼくはアメリカのおじいちゃんがいちばんかっこいいと思っていて、だるだるのTシャツ着て、ハーフパンツ穿いて、よくわからないブランドのスニーカーを合わせて、ウエストポーチにキャップみたいな。ファッションの文脈にはいない、オシャレなんか全く気にしてない感じにすごく魅力を感じるんですよね。

松川:わかります、かっこいいですよね。

ー 秋元さん、ついてこれてますか?

秋元:かろうじて(笑)