〈コンバース〉が“究極のシューズライン”と謳うハイエンドコレクション〈コンバース アディクト〉。2008年のデビュー以来、スニーカーフリークはもとより高感度なファッショニスタたちからも絶大な人気を博してきた。価格は決して安くはない。ひと目でそれとわかるアイコンがあるわけでもない。にも関わらず、なぜこのスニーカーは人々を魅了してやまないのか? 同コレクションの「ジャックパーセル」のディテールをひとつひとつ解き明かすことで、〈コンバース アディクト〉が支持される理由に迫ります。
Photo_Kengo Shimizu
Text_Masahiro Minai
Edit_Issey Enomoto, Hiroshi Yamamoto
オリジナルはバドミントンの元世界チャンピオンでテニスにおいても優秀な成績を収めたラケットスポーツの天才ジャック・パーセル氏のシグネチャーモデル。
今回の〈コンバース アディクト〉のアウトソールは、高品質なアウトソールの供給で知られるビブラム社製のウォーターコンパウンド配合素材を使用することで、優れたグリップ性はもちろんのこと、カジュアルシーンで長時間歩きまわってもビクともしない耐久性をプラスしている。
〈コンバース アディクト〉のジャックパーセルはオリジナルと異なり、取り外し可能な圧縮E.V.A.製インソールを装備。このインソールはクッション性に優れており、さらにヒール部分は衝撃吸収性の高いクッション素材のポロンを採用。
着地時の衝撃を確実に吸収し、長時間の歩行時に疲労を軽減してくれる。このインソールは〈コンバース アディクト〉が、通常のジャックパーセルよりも圧倒的に快適な履き心地を確保する理由のひとつだ。
つま先部分の“スマイル”とともにジャックパーセルを象徴するディテールとして知られているのがヒールパッチ部分の通称“ヒゲ”。これはかつてインソールに採用されたポスチャーファウンデーションと呼ばれたテクノロジーをイラスト化したものであり、高機能の証であった。
そんな“ヒゲ”を〈コンバース アディクト〉ではプリントではなく立体成型で再現。こういった細部のディテールへのこだわりにスニーカーフリークは反応するのだ。
今回のジャックパーセルのアッパーに採用されたキャンバス素材は、旧式の機械で織られた“MADE IN JAPAN”。生地表面が微妙に均一でない織加減は、クラシックで独自の趣がある。
昔ながらの機械で織られたデニムの色落ちが素晴らしかったり、同じく旧来の織り機で製造されたスウェット生地が抜群に着心地が良かったりするのと同じく、このキャンバス素材も効率重視で作られる現在の素材にはない雰囲気とカッコよさがあるのだ。
1970年代当時のジャックパーセルには左右の激しい動きに対応すべく、アッパー前足部サイドに補強のためのアーチ状の当て布が内側に配された。そして、その当て布を縫うためのステッチもアッパー表面に存在したが、今回の〈コンバース アディクト〉ではそのディテールも再現。
アーチ状の当て布やステッチは、ジャックパーセルがパフォーマンスシューズとして実際にテニスやバドミントンで使用された当時を思い出させてくれる意匠である。
最近のスニーカーには化学繊維や混紡素材のシューレースが使用されることが一般的だが、今回リリースされる〈コンバース アディクト〉のジャックパーセルには、1970年当時のジャックパーセルに使用されていたシューレースの特徴を徹底的に再現。
織りの詰まったコットン製シューレースは昨今のスニーカーにはあまり見られない無骨な雰囲気を醸し出しており、細部にまでこだわるスニーカーフリークも納得の出来栄えとなっている。
写真の「8」のように唐突にシューズ内部にプリントされた数字。これはヴィンテージフリークなら知っていると思うが、USサイズでのサイズ表記だ。
現在のように布などに各地域でのサイズ表記や工場コードや製造年月が表示されるのが一般的になったのは1980年代後期以降であり、今回は1970年代モデルを徹底再現した。もちろんUSサイズや㎝サイズなどが表記された正式なサイズ表示ラベルもシューズ内部に配されているのでご安心を!
今回ラインアップされたのはジャックパーセルを代表するカラーリングであるホワイトと、これからの季節にピッタリなオレンジの2色。ご存じの通りホワイトは、ネイビーやブラックとともにジャックパーセルの定番カラー。
コーディネートを選ばず、あらゆるファッションスタイルにマッチする。一方でヴィヴィッドなオレンジは足元にアクセントを持たせたいときやリゾートテイストの着こなしなどに最適なカラーリングだ。
〈コンバース アディクト〉の箱は独特な色調のピンク。スニーカーフリークならこのカラーリングに瞬時に反応するし、古くからのこのコレクションのファンは、このボックスカラーを見るだけで「わくわくする!」という。
〈コンバース アディクト〉は様々なこだわりのディテールをシューズの随所に散りばめているが、シューズ本体だけでなくだけでなくボックスもスペシャルバージョンが用意されるなど、一切の妥協が無いのである。
コンバース アディクト「ジャックパーセル」各¥16,000
「これまで4タイプの〈コンバース アディクト〉を履いてきましたが、いずれのモデルも“進化するヴィンテージ”を標榜するように、ヴィンテージモデルのディテールを現代に蘇らせつつ、ビブラムやポロンといった機能性に優れたパーツを組み合わせることで、単なる復刻に終わっていないところに好感が持てます」
「今回のジャックパーセルもそんな〈コンバース アディクト〉のコンセプトをしっかりと継承しており、素晴らしい出来栄えだと思いますね」
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