恵比寿の道端でマスクは何を問い、何に応えよう。SHIN MURAYAMAの日本初個展がCAGE GALLERYで開催中。

鑑賞者に身を乗り出させるアートがある一方で、鑑賞者の眼前に迫ってくるようなアートもあります。どちらがいい悪いというのはなく、そこにはアート自体の饒舌さ、ひいては制作者の訴えの強さが関係している気がします。

その尺度に当てはめるとすれば、SHIN MURAYAMA（村山 伸）の作品は後者でしょう。彼がつくる摩訶不思議な多色のマスクは、ひとつの作品やひとつの物体という存在を超えた、まるで他者。それも人間を超越した生き物のようで、畏怖の念すら抱きます。

「CAGE GALLERY」にて開催中の日本初個展では、新作を含むマスク作品2点をお目にかかれます。いずれもスケートボードを躯体に、作家の身の回りにある衣服や副資材、サドル、硬貨などで造形がなされています。しかもすべて手縫いしているので、世界に1ピースしかないソフトスカルプチャーです。

ギャラリー横を通るひとからも展示が見えるよう設計されているため、まるでパブリックアートのようにも機能します。ウィンドウの点灯時間は11時から20時まで となっていますが、作品は24時間みられるそう。

とにかく、いちど対峙してみてください。つらつら並べた情報が、脳内から吹き飛ぶほどの鑑賞体験になるはずです。