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連載【で、NEW VINTAGEってなんなのさ?】Vol.89 シェフワークスのコックコートはモダンな見た目で“なんとなくモード。

1990年代、誕生から100年経過している“アンティーク”に対し、その定義は満たしていないけど、価値のありそうな古着を打ち出す際に使われ出した言葉“ヴィンテージ”。今ではさらに“レギュラー”と呼ばれていた80年代以降の古着にも、“ニュー・ヴィンテージ”という新たな価値を見出す動きがあります。本企画ではこの古着の新たな楽しみ方を、スタイルの異なる4つの古着屋が提案。それぞれの感覚でその魅力を語ります。

新たにショップが全て入れ替わり、連載は12シーズン目に突入! トップバッターの第89回目は、シーズン6以来、2度目の登場となる代田橋の「喜楽」の小池さん & 真喜志さん! 今回は、どんなニュー・ヴィンテージを紹介してくれるのでしょうか!?

Text_Tommy
Edit_Yosuke Ishii


小池 & 真喜志 / 喜楽 オーナー
Vol.89_シェフワークスのコックコート

ー今回で2度目のご登場ですが、ニュー・ヴィンテージという概念に対してのアプローチなど、あれから何か変わりましたか?

商品のセレクトの幅が広がったというのはあるかもしれませんね。ウチの場合、もともとレギュラーを中心に色々なアイテムを扱っていましたが、お客さん側の古着の楽しみ方が、昔よりも自由にはなってきていて、セオリー通りのモノ選びと合わせ方ではなく、より自分のパーソナルに紐づいた感じといいますか。

ーそんなおふたりに、今回ご紹介いただくニュー・ヴィンテージなアイテムは?

今回はコックコートとも呼ばれますが、要は飲食店の厨房スタッフが着用するガチのユニフォームですね。

ーシェフパンツなんかはちょっと前に流行って、アパレルブランドからも結構リリースされていました。

でしたね。ぼくら的には、この比翼仕立てのデザインが面白いのと、軽く羽織るのにもちょうどイイということで推しています。ブランドは〈シェフワークス(Chef Works)〉。生まれはアメリカ、世界90ヶ国以上で愛される飲食事業専門ユニフォームブランドらしいのですが、日本法人もオンラインストアも存在していて、多分同じモノと思われるモデルが売られているので、そういう意味は現在進行形のレギュラーといいますか(笑)。

ーサイトと掲載されているモノと同型だとすれば、モデル名は「ハートフォード」。もっとも定番だそうです。

シェフワークスのコックコート 参考商品(喜楽)

隠しジッパー式の前開きを採用していて脱ぎ着のストレスがないのと、身頃両サイドの切り替えが特徴。ここには通気性と伸縮性に優れるクールベント生地が採用されていて、内部の蒸れを防ぎながら肩回りも動きやすくなっています。あと、ボディ生地はポリエステル65%:コットン35%なので、ノリ的には〈ディッキーズ(Dickies)〉のそれ。

ー筆者が飲食店のバイトの際に着ていたのはボタン式だったので、このジッパー式がすごくモダンに感じられます。

ボディカラーがグレーなので、より感じますよね。なお、両袖の二の腕位置に内蔵されたストラップを使うことで、袖まくりした状態をキープ可能。作業のしやすさを考慮した機能ですが、夏場は地味に嬉しいポイント。あと今回紹介する個体は、袖先にボタンを付けてカスタムされています。自分なりに使いやすいようにカスタムするという意味では、ミリタリーウェアにも通ずるものが。よく「厨房内は戦場だ」なんて言いますし(笑)。

ー言い得て妙です。そういえば、この背面首元のループは何に使うんでしょうか?

最初はスカーフを通すのかと思ったんですが、どうやらエプロンホルダーみたいですね。これに通すことで安定して作業がしやすく、またユニフォームの着崩れも防ぐとか。で、両袖のポケットですが、右腕はメモ帳やスマホ、左腕はペンと温度計を入れるためのものだそう。どのディテールを見ても、機能的ではありますがファッションのソレではなく、完全にガチ(笑)。

ーそもそも、どういう経緯からコックコートにも注目を?

買い付けに行った際に、普通に並んでいて、なんとなく格好いいなと思って買ってきたんですが、これが羽織ってみると意外にハマりがよくて、さきほど話したミリタリーウェアというのもそうですし、見ようによってはちょっとモードな雰囲気にも思えません?

ーたしかにそれは言えます。

“厨房内での働きやすさ”を念頭に置いたデザインをファッションとして取り入れると、すごく面白いのかなと思って、今回プッシュしてみました。

ーでは、このコックコートというアイテムを、お二人ならどんな感じで着こなしますか?

それこそ〈ディッキーズ〉のワークパンツに合わせるのもイイですし、スラックスやチノパンツでキレイめにもアリ。穿き込まれたカーゴパンツやデニムパンツというのも雰囲気のあるスタイルに。まぁ、どんなボトムスとも相性がイイので「お好きなように料理しちゃってください!」ということで(笑)。

小池 & 真喜志 / 喜楽 オーナー
十数年来の友人2人が、2017年11月、東京・代田橋の沖縄タウン内にオープンした「喜楽」。現在は代田橋駅 北口前に移転。レギュラーからヴィンテージまでアメリカンカジュアルを中心に様々なラインナップを展開し、営業時間は平日16時〜22時。仕事帰りにちょっとディグ、飲んだ帰りにちょっとディグも可能。
公式サイト:kiraku-store.com
インスタグラム:@kiraku_store

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