キャンバスに描かれているのはチャーミングなエイリアン。タトゥーアーティスト・TAPPEIの個展が月極で開催されます。

「もしも自分がロボット研究者の息子だったら」とか「西暦800,00年の世界にタイムリープしたら」とか。大人になっても、現実離れした夢を見させてくれるようなストーリーに惹かれるのはなぜだろう。

そんな世界観に引き込んでくれる展示が、目黒にあるギャラリー「月極（ツキギメ）」で開催されます。

作品を手がけるのは、タトゥーアーティスト・TAPPEI。 タトゥーの枠を飛び越え、グラフィックデザイナーや漫画家など、さまざまな側面で活躍する彼が今回表現する場所はひとの身体ではなく、真っ白なキャンバスです。展示のテーマは、「From:space」。宇宙でエイリアンに向けて展示をしたひとが、 ギャラリー「月極」で巡回展を行うというなんともユーモラスな設定です。

アクリルガッシュやスプレーを使用したキャンバス作品など、さまざまな表現方法で作品を展示します。ポップな世界観とは裏腹に、作品がもつストーリーの奥深さやデザインの細部の仕掛けなど、SFオタクであるひともそうでないひとも、TAPPEIさんのオリジナリティに溢れた世界観を楽しめます。

また、会場となる「月極」のオーナーはTAPPEIさんとは20年来の友人だそう。1年ほど前から企画会議を行い、ふたりが温めてきた本展示。期間は9月29日（日）から 10月27日（日）までです。最後にTAPPEIさんのコメントもどうぞ。

この何年かは、ありがたいことに毎日絶えず沢山のひと達の肌にタトゥーとして 僕の作品を描かせてもらえるようになりました。僕の個展に来てくれたお客さんで、「実は TAPPEI さんに昔タトゥーを彫ってもらいました」と。個展の会場に予期せず僕の作品が増える感覚は、 他のアーティストさんには無いと思います。 今までやってきたことが繋がる感覚になります。そしてギャラリー「月極」のオーナーさんは、 僕が 20 歳の頃からお世話になっています。
オーナーさんが昔やっていた「ナカメネオン」というバーのカウンターで ほぼ勝手にタトゥーを彫ったこともありました。そのころでは考えられないくらい多くのひとに 僕の作品を見てもらえるようになりました。 少しでも立派になった所を見て欲しい気持ちもあります。いろんな気持ちがこもった個展です。 楽しんでいただけると嬉しいです。

Text_Sayuri Otobe